ギター片手に日本国憲法の精神を歌にしてきた、きたがわてつさん。「『赤旗まつり』でなければ得られないエネルギーってありますよね。楽しくて元気の出るステージにしたい」と語ります。
代表曲の「日本国憲法前文」は、歌い続けて32年。5月に発表したアルバム「自由よ!」で、ピアノバージョンに生まれ変わりました。「この時代のなかで、憲法の言葉をきちんと伝えるサウンドにする必要を感じたからです。長い間歌ってきましたが、言葉が新鮮に響いてくるんです」と話します。
「いまの時代は、原発問題、秘密保護法の強行採決、集団的自衛権行使容認の『閣議決定』があって…。政治的に見たら、これまでにないくらいひどい状況だと思います」。話し始めると、これまでの笑顔が真剣な表情に変わりました。
昨年12月、秘密保護法が強行採決されたときは怒りに震えました。「石破幹事長(当時)が抗議行動をテロ扱いしたでしょ。すごく頭に来たんですよ。こちらはちゃんと法にのっとってやっているのに、あまりにひどい言葉です。普段私はおとなしくて温厚な人間ですが、さすがに怒りを抑えられなかった」と振り返ります。
「でもたたかい続けるためにはユーモアを忘れないことが大事だと思うんですよ」と柔和な笑顔に戻ります。
自民党幹部は同法の成立した夜半、祝勝会を開きアイスクリームで乾杯したという報道がありました。
何と、そのアイスクリームは「石破幹事長の差し入れだったそうです。そこでまた怒りが。皮肉をたっぷり込めて『アイスクリームは食べない』という歌をつくったんです。この歌は溶けてしまう前にぜひ生で聞いてもらいたいですね」と笑います。
最近では脱原発を歌った「吠えろ!獅子」が話題を呼んでいます。歌のモデルになった福島県飯舘村の元酪農家、長谷川健一さんを迎えて10月10日に新宿で「39(サンキュー)コンサート」を行います。(問い合わせ・センタープロ=03〈3200〉4030)
「赤旗まつり」の連帯感が好きと話すきたがわさん。「赤旗まつりではステージだけでなく、全国から集まったたくさんの皆さんと路上でも思いっきり歌い交わして、たたかうエネルギーを蓄えたいと思っています。今からとても楽しみです」
(仁田桃/撮影・細川豊史)
(「しんぶん赤旗」2014年9月23日より)