東京都がすすめる築地市場(中央区)の東京ガス工場跡地(江東区豊洲)への移転をめぐり、汚染土壌の処理費が176億円も増加するうえ、汚染原因者の東京ガスには負担額の追加請求をしていないことが22日、明らかになりました。都議会公営企業決算特別委員会で、日本共産党の畔上三和子都議が追及しました。
都は新市場予定地で実施中の汚染除去工事を10月末に完了する予定です。
畔上氏は、汚染対策費用が当初の約586億円から約762億円に増える問題を取り上げ、その原因が深刻な土壌汚染の土地に、わざわざ築地市場の移転を強行することによるものだと指摘。「わが党は、土壌汚染対策が食の安全・安心を担保する科学的知見も都民合意も得られない、だから現在地再整備にすべきだと繰り返し求めてきた」と強調。何度も立ち止まるチャンスがあったにもかかわらず、見直しをせず移転工事を強行してきたことを批判しました。
畔上氏は、汚染原因者負担問題でも、東京ガス側の負担は2011年に都と合意した78億円にすぎないことをあげ、追加負担請求の協議について質問。中央卸売市場の加藤仁新市場整備部長は「引き続き対応を検討していく」と答え、具体的な協議をしていないことを認めました。
(「しんぶん赤旗」2014年10月23日付より)