東京都が「長期ビジョン」 : 福祉を拡充・正規雇用化

舛添要一東京都知事は25日、2020年東京オリンピックの開催など都政運営の指針となる「長期ビジョン」を策定しました。3カ年計画(15〜17年度)の事業費は総額3兆7400億円にのぼります。

大型開発は推進

長期ビジョンは「世界一の都市・東京」と「史上最高のオリンピック・パラリンピックの実現」をめざし、8つの都市戦略、25の政策指針、367項目の施策をかかげました。

日本共産党都議団が提案してきた保育園や特別養護老人ホームの増設、非正規雇用の正規雇用への転換、小希望企業の支援などの施策が盛り込まれました。

福祉では、17年度末までに保育園4万人分、25年度までに特別養護老人ホーム1.9万人分を整備する目標をかかげています。

経済対策では、都心部を中心に19箇所の拠点開発を行うなど、外国企業500社以上を誘致します。

五輪大会に向けて競技会場を整備し、会場付近の都道、駅のバリアフリー化・ホームドアの設置、年間1500万人の外国人が訪れると想定してボランティア育成、駅や医療期間などの多言語化を重点にしています。晴海の選手村は五輪後に民間住宅に利用しますが、公的住宅の計画はありません。

都市基盤は、20年までに3環状道路の約9割を開通させ、東京港コンテナふ頭の新設など、大型開発を推進します。

防災対策では、特定整備路線の28区間・26キロメートルを整備、公共施設の不燃化などを進める一方、木造密集地の住宅耐震・不燃化改修への補助は対象が限定され利用が少ない現行制度継続のままです。

しかし、都民要望の強い国民健康保険料(税)の負担軽減、都営住宅の新規建設、小中学校全学年への35人学級拡充などは重点事業の対象外としています。米軍横田基地の返還を求める施策もありません。

(「しんぶん赤旗」2014年12月26日付より)

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