東京都大島町の日本共産党町議団の時得孝良、橋本博之、小池渉ら3町議と山田忠敬町議候補は10日、深刻化するキョン(小型のシカ)の農作物被害の対策強化と農業者への支援を舛添要一知事あてに申し入れました。要請には河野ゆりえ都議が同席しました。
応対した環境局自然環境部の近藤豊森林再生担当課長に、①捕獲体制の強化による個体数のさらなる削減②農作物の被害防除・予防管理の強化と農業者への防護資材等への支援③被害農家への生活支援制度の実施ーを求める申し入れ書を手渡しました。
時得町議は、キョンによる農産物被害、特に近年、島の特産物アシタバ(野菜)の被害が深刻化していると説明。4000平方メートルほどのアシタバがほとんど食べられてしまい、意欲を無くしてしまっている栽培農家もあると述べ、「現に困っている人に対し、どう救いの手を差し伸べるのかが今必要だ」と訴えました。小池町議は、キョンが市街地にも出没し、車やバイクと衝突事故を起こしていることを指摘しました。また、環境局だけでなく、産業労働局とも連携をとて対策を進めるよう求めました。
近藤担当課長は、農業被害については「農業部門にしっかりお伝えしたい」と答えました。今後の防除計画についても、捕獲数の増加やキョンを囲い込む網の設置、市街地に近い場所での捕獲などを検討していると答えました。
<説明> キョン
体調70センチメートル前後、体重7~10キログラムの小型のシカ。中国南東部、台湾原産の特定外来生物。大島では1970年に都立大島公園から逃げ出した十数頭が繁殖して、現在では4000頭以上に増加し、島内全域に生息していると推測されています。都では2007年から防除事業を開始し、年間800頭を目標に捕獲を続けています。
(「しんぶん赤旗」2015年2月13日付より)