高齢者拘束の「制度外ホーム」問題で区に調査迫る:北区議団

感染症で多数死亡の実態も

北区の「制度外ホーム」で高齢者などに虐待や身体拘束が行われてきた問題で、日本共産党の山崎たい子区議は10日、区議会で質問に立ち、「2012年の冬に都内の『制度外ホーム』でインフルエンザなどの感染症で短期間に28人が死亡した」とテレビで報じられたことを示しました。

同区議は「党区議団の調査で、介護事業所などを運営する岩江クリニックのことと確認できた」とのべ、区に実態の把握を求めました。

区側が、「亡くなった人の資料をもらっていないので調査できない」としたのにたいし、同区議は「重大事態であり、前向きに調査を」と求めました。

同医療法人は9日、区に出した「改善計画書」で、「今後、区の指導には一切協力しない」としています。

山崎区議は、都と連携して対応を強めるとともに、区として「利用者・家族に対して他の医療機関や区内の特養ホームなどへの処遇も具体的に提案すべきではないか」と提起。区は「他施設への移転も視野に入れ、家族などと相談、検討したい」と答えました。

高齢者への身体拘束をめぐり区は6日までに、高齢者虐待防止法で3棟のマンションに居住する159人のうち95人への虐待を認定、ほかに64歳以下の数人についても虐待の疑いで調査中としています。


東京都は立ち入り検査を実施

東京都北区の高齢者向けマンション3棟で認知症の入居者らが日常的にベットに拘束されるなどしていた問題で、都は10日、3棟それぞれが老人福祉法人上の有料老人ホームに当ると認定し、同法に基づく立ち入り検査を行いました。同時に、運営を主導している医療法人岩江クリニック(岩江秀和理事長)などに対し、有料老人ホームとして届け出るよう指導しました。

(「しんぶん赤旗」2015年3月11日付より)

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