9条破壊の「戦争立法」阻止の運動 全国隅々に
「九条の会」は15日、都内で全国討論集会を開きました。全国各地の280の「九条の会」から452人が参加し、34人が発言。安倍内閣が進める、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」を具体化する「戦争立法」を阻止しようと、草の根の活動を交流し、熱気あふれる討論を繰り広げました。討論のまとめで小森陽一事務局長(東大教授)は「9条をまもり、戦争を許さない世論をつくろう」と呼びかけました。
「九条の会」呼びかけ人で作家の大江健三郎さんは、「小説家を50年やっています。日本人がどのように九条の会で働くことができるか、それが私の締めくくりの時期に大切なことです」と述べ、「九条の会」の運動を広げていくことに「希望を託します」と述べました。呼びかけ人で作家の澤地久枝さんは、「みんなが“今あらねばならぬこと”を痛いほど分かっています。それが実現する方向に向かって怖がらず一歩でも前に出よう」と訴えました。
事務局の渡辺治・一橋大学名誉教授が情勢について報告しました。渡辺氏は、安倍内閣が企てる戦争立法について、今後どんな法案が出るか不明確な状況の中で、その全体像をつかむことが重要だとし、「いつでも、どこでも、どんな戦争にも、あらゆる形でアメリカの戦争に加担することを可能にするもので、法律による9条の全面破壊だ」と指摘。さらに、「閣議決定だけでは自衛隊は動けない。立法をつぶせば『戦争する国』づくりを止めることができる」と述べました。
事務局長の小森氏は、「いっせいに全国7000の九条の会の動きを強めよう」と訴え、政治的立場を超えた個人、団体の共同を地域の隅々まで広げることが重要だと強調しました。
会場から次々と手があがり白熱した討論に。「九条の会の真価が問われるときだ」、「なんとしても食い止める」と、草の根から奮闘する強い決意と多様な取り組みが語られました。地域の創価学会員や民主党の議員候補者が「九条の会」の活動に参加している例に触れたり、元防衛省幹部を呼んでの講演会を計画していることなども報告されました。
(「しんぶん赤旗」2015年3月16日付より)