4年間で5割増 財源不足に陥る可能性も
東京都築地市場(中央区)を東京ガス工場跡地(江東区豊洲)に移転する計画をめぐり、建設費や土壌汚染対策費が急増し、都の新市場の整備費が4年前の試算より1958億円(5割)増えて計5884億円に膨らむ見通しであることが17日、明らかになりました。
日本共産党都議団の要求をうけ、都中央卸売市場が同日の都議会委員会に資料提出しました。
資料によると豊洲新市場の整備費は、2009年2月に公表した新市場整備方針で4316億円としていました。その後、用地取得費を精査、減額した2011年2月の再試算では3926億円と公表し、13年1月の再々計算では4500億円と上方修正していました。
今年の見直しの結果、建設費が2752億円と当初の2.8倍に高騰したうえ、土壌汚染対策費も4割強増えました(表)。
都は豊洲新市場を16年11月に開場する予定です。築地市場の水産仲卸業者の間では、施設配置計画や、移転費用・使用料問題、都の土壌汚染対策などへの不信、食の安心・安全への不安感が根強く残っています。
都は新市場の整備費を市場会計保有資金や国庫交付金、築地市場跡地の売却収入で調達する計画ですが、事業費が高騰したため、財源不足に陥る可能性も浮上しています。
移転計画凍結を かち佳代子都議の話
豊洲新市場整備に膨大な費用をかけても、土壌汚染問題、水産卸、水産仲卸、青果の各売り場が道路で分断され、施設も多層化するなど市場としての致命的な欠陥は解決できていません。その上、2020年東京五輪開催との関係で、移転計画をスケジュール最優先で強引に進めています。いま必要なことは、計画を凍結し、消費者、市場関係者が合意できる計画に見直すことです。
(「しんぶん赤旗」2015年3月19日付より)