米政府方針 事故多発機 首都上空へ
米政府は、2017年から空軍の垂直離着陸機CV22オスプレイの米空軍横田基地(東京都福生市など)への配備に着手する方針を決め、日本政府に伝えました。17年後半に3機、数年以内にさらに7機を同基地に配備し、10機程度を運用する方針です。配備を強行すれば、米空軍の中でも事故率が高い同機を、世界有数の人口密集地である首都圏の上空で運用することになります。日本政府は13日にも横田基地周辺自治体に説明する方向ですが、反発は必至です。
CV22は特殊作戦機として使用されており、山岳地帯など過酷な条件下で用いられることが多く、10万飛行時間あたりの事故率は、すでに沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に配備されているMV22オスプレイの1・93に対し、CV22は13・47に達しています。(12年の防衛省資料)
10年4月にアフガニスタンで墜落して4人が死亡、12年6月に米フロリダ州の訓練中に墜落事故を起こしています。
米軍はアフガニスタンなどでの「対テロ」戦争で使用するため、2000年代から、米空軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)への配備を模索してきました。しかし、日米両政府はMV22の沖縄配備を優先。12年のMV22配備に対する県民の反発が強いことから、CV22については、日本本土への配備も選択肢に加えました。
13年7月には、米太平洋空軍のカーライル司令官(当時)が初めて、配備の候補地として「横田」に言及。その後も嘉手納・横田の両にらみで検討が続いていました。
米政府は最終的に、必要な設備を整えれば横田でも運用に支障はないと判断。4月下旬に開いた日米外交・軍事担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表に横田配備を盛り込むよう提案しましたが、地元との調整に時間を要するとの日本側の指摘を受け、見送っていました。
(「しんぶん赤旗」2015年5月10日付より)