公園トイレ132カ所廃止計画
【東京・足立区】

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住民から怒り噴出

避難所なのに/盆踊りできない

20155013 東京都足立区(近藤弥生区長)が、小中学校の統廃合計画だけでなく、区内の公園トイレ132カ所を廃止する計画を策定したことに、住民から「震災時に避難所になっている公園にトイレがなかったらどうなるのか」などと怒りの声があがっています。

公園トイレの大リストラ計画は「あだち公園いきいきプラン」(2011年策定)の「パークイノベーション」計画に基づくもので、自民党、公明党、民主党が賛成してきた区の「第二次経営改革プラン」(13年策定)にも盛り込まれています。
都市建設部みどりと公園推進室は本紙の取材に対し、14年4月時点で332カ所あるトイレをおおむね50年かけて200カ所に減らしていくと説明。その理由として「施設の適正配置」と「経費の削減」をあげています。トイレの維持管理経費は年間約1億円で1カ所あたり約30万円です。
区は廃止の対応策として、周辺にある公園トイレの案内板の設置、地域の催しの際には年1回、仮設トイレを貸し出す――と区議会で説明しています。

すでに撤去された6月やすらぎ公園のトイレ跡=東京都足立区6月

すでに撤去された6月やすらぎ
公園のトイレ跡=東京都足立区6月

竹ノ塚駅南東、青井駅周辺、舎人駅周辺の3カ所をモデル地域に選び、14年度から事業を開始し、すでに2カ所を廃止しています。
廃止を知った住民からは「園庭のない保育園の子どもたちが利用している公園のトイレをなくすなんてひどい」「トイレを利用している建設工事従事者やタクシー運転手たちも困る」「ウォーキングをするときに、公園のトイレを利用している。コンビニや近所の家にトイレを貸してくださいとは頼めない」など怒りの声が噴出しています。
廃止予定だった五反野公園では、地元町会から盆踊りができなくなると強い反発があがったため、区は当面15年間は存続する方針に変えました。

共産党は存続求める

「災害一時集合場所」に指定されている、青和憩いの森公園のトイレも廃止予定に=東京都足立区青井

「災害一時集合場所」に指定されている、青和憩い
の森公園のトイレも廃止予定に=東京都足立区青井

今年2月、区内の2団体が合計3500人余の署名を添えて、公園トイレの廃止反対を求める陳情を区議会に提出。日本共産党は採択するよう強く主張しましたが、自民、公明、民主など「オール与党」が採択に反対し継続審査としたため廃案となりました。
17日投票の区長・区議選で、日本共産党8区議候補と斉藤まりこ区長候補=日本共産党推薦=は、トイレの存続を主張。「1190億円の基金を積み立てている区が、1カ所30万円の公園トイレの維持費をだせないはずはない。税金は区民のために使い、トイレは廃止せず、古いトイレを明るく使いやすいように改修させよう」と訴えています。
青井駅周辺に住む女性(75)は「公園トイレを廃止するというのは、区民のためにお金を使いたくないという、ゆがんだ区政の表れですね。避難場所にもなっている公園のトイレを何でなくすのか。改修して子どもや高齢者が安心して使えるようにしてほしい」と話し、男性(76)も「足立区はやることがおかしい。人間にとって大切な公園トイレを廃止するのは、さもしいですね」といいます。

陳情つぶした自公民許せない

 「公園トイレの存続を求める会」の納田茂代表(58)の話
区は地域ごとに町会や自治会役員を集めて説明会を開いているが、公園トイレの廃止計画を知らされた人たちから、いっせいに「廃止なんてトンデモナイ」の声が噴出している。私たちの陳情の採択に反対した自民、公明、民主はひどいですね。住民の願いに応えてくれる共産党の議員を増やし、斉藤区長を誕生させて、公園トイレ廃止計画をストップさせたい。

 

(「しんぶん赤旗」2015年5月13日付より)

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