新国立見直し 工費見積もり 先延ばし

文科相答弁 田村智子議員が批判

(写真)質問する田村智子議員=26日、参院文科委

(写真)質問する
田村智子議員=26
日、参院文科委

日本共産党の田村智子参院議員は26日、文教科学委員会で、2020年東京五輪・パラリンピックのメーン会場となる新国立競技場計画の一部見直しなどについて追及しました。

田村議員は新国立競技場の見直しについて「正確な見積もりはいつ示すのか」と質問。下村博文文科相はこれにたいし、「総工費は施工業者と契約した6月下旬以降に示す。都には途中経過を説明する」と答え、18日に舛添要一都知事にたいして「今月中に明らかにできる」としていた発言を事実上修正する答弁をしました。田村議員はこれにたいし、「それでは都民も国民も納得できない」と批判しました。

さらに田村議員は、東京五輪後に設置するとした開閉式屋根について質問。折りたたんで収納する屋根材は、業界団体が「折り曲げないよう施工管理が必要」と説明していること。また同方式の豊田スタジアムは建設から14年経過して管理・改修費が急増し今年、取り外しを決定していることを示しつつ、「新国立はより複雑な構造で、どんなトラブルが起きるのか想定さえも難しい」と指摘しました。

さらに、2本の巨大な主要骨材がアーチ状に張り出す新国立の屋根に、1万8千トンもの鉄骨が必要であることを示し、建築資材などの不足を招き被災地復興の妨げになるとして、「デザインに無理があるのは明らか。踏み込んだ見直しをすべきだ」とただしました。

下村文科相は総工費の縮減は必要としつつ、「基本は見直しを考えていない」と答えました。

田村氏は、業者の見積もりがこれまで総工費とされてきた1625億円と「大きな開きがある」とした下村文科相の答弁を受け、建設後に想定される大規模改修費用の656億円がさらにふくらむと指摘。総工費600億円の日産スタジアム(7万2千席)より高額になると批判しました。

(「しんぶん赤旗」2015年5月27日付より)

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