東京都の築地市場(中央区)を豊洲の東京ガス跡地(江東区)に移転する計画の中止を求める「6・23築地市場移転をめぐるシンポジウム」が6月23日、千代田区の明治大学で開かれました。労働組合、消費者団体などでつくる実行委員会が主催し、約160人が参加しました。
東京中央市場労働組合の中澤誠書記長が移転計画の現状について報告。豊洲新市場は、整備費が高騰しているうえ、利便性や交通アクセスにも問題が多く、施設使用料も不明で、水産仲卸業者のアンケートでは9割近い人が築地で営業したいと答えたと報告。「断固、計画を中止しよう」と訴えました。
大城聡弁護士は、都が豊洲の予定地を、汚染を考慮しない高い価格で購入したことに対する住民訴訟について報告。今後、農水省に対し、市場移転認可の差し止め訴訟も考えていくと述べました。
1級建築士の水谷(みずのや)和子さんは、都が土壌汚染したまま汚染対策工事を行っていると厳しく批判しました。
広島大の三国英実名誉教授は、豊洲新市場は大手スーパーの配送機能が優先され、築地と比べて物流の効率が悪く、仲卸業者の機能が失われる危険性を語りました。
日本消費者連盟の山浦康明氏や元日弁連会長の宇都宮健児弁護士も築地移転中止へ運動をさらに大きくすることを訴えました。会場からは、仲卸業者などから「移転中止へ一致団結してがんばりたい」と声があがりました。
(「しんぶん赤旗」2015年7月1日付より)