日本共産党の小池晃議員は14日の参院厚生労働委員会で、日本年金機構が、個人情報の流出該当者に「流出していない」と虚偽説明をしていた問題で、機構が管理職だけで対応するよう指示した内部文書を示し、「内規に反して公表せず、管理職だけで処理しようとした。機構の理事長も厚労相も同罪だ」とただしました。
内部文書は7月3日付で「重要度高」に印が付けられたもの。「管理職を中心に丁寧な対応をお願いします」などと指示しています。
機構の水島藤一郎理事長は「管理職が対応するよう指示をした」と認め、「説明誤りをした人を早急に回るためだ」などと釈明しました。
小池氏は「2449件もの誤りが生じていながら記者会見もせず、現場の職員にも知らせず、管理職だけでひそかに戸別訪問をやった。誤りを表ざたにしたくないということだったのではないか」と指摘しました。
虚偽説明について機構は、「国民に影響を与える場合は迅速に公表する」とした内規に反して公表していませんでした。塩崎恭久厚労相は内規について、「小池議員の質問(9日)の中で知った」と答弁。「できるだけ早く公表をといってきた」などと釈明しました。
小池氏は、「大臣は、発表は後でいいとし、理事長が発表は月末でというのを黙認した。公表のルールも知らなかった。監督責任を果たしていない」と批判。「3月の有期職員の雇い止めが現場の痛手になっている」など現場の労働者の声を紹介し、国民の信頼を得るために外部委託や有期職員中心の運営を見直すべきだとのべました。
虚偽答弁を認め謝罪
小池氏指摘 年金機構理事長
日本年金機構の水島藤一郎理事長は14日の参院厚生労働委員会で、年金個人情報が流出した人に「流出していない」と虚偽説明をしていた問題で「速やかに公表するルールはない」と答弁していたことについて、内規にも反する虚偽答弁だと認めて謝罪しました。
この問題は9日の参院厚生労働委員会で日本共産党の小池晃議員が、国民に影響を与える場合は速やかに公表するとした内規や事業計画に反していると追及していたものです。
水島氏はそれまで、月末の定例報告で発表するのがルールだと答えていたため、小池氏から「虚偽答弁だ」と追及されると答弁できなくなり、審議がストップしていました。
水島氏は、「小池議員から『機構のルールでは迅速に公表することになっている』むねの指摘をいただいた」とのべ、内規では月末の定例報告とともに大きな影響を与える場合は速やかに公表するとしていると説明。「本件事案の重大性に鑑みれば、迅速に発表を行うべきであり、私の認識および答弁が誤っておりました」とのべました。
(「しんぶん赤旗」2015年7月15日付より)