国会議員団、都議ら同席
国は小型機の安全にもっと責任を持ってほしい―。東京都調布市で小型プロペラ機が墜落して3人が死亡した事故で、地元、日本共産党調布市議団と尾崎あや子都議が、穀田恵二衆院議員ら国会議員団とともに29日、国会内で、国土交通省に原因究明と抜本的な安全対策を求めました。
同市議団は、都が管理する調布飛行場で、事故機の飛行目的が操縦者の技量を維持する「慣熟飛行」と申請されながら、実際は禁止された「遊覧飛行」であった疑念が出されていることに、「運行実態をだれが監督するのか」と質問。同省は「第一義的に都にある」と無責任な回答をしました。同市議団は「過去(1980年)にも近隣の中学校に墜落している。国のチェック機能が必要」と批判しました。
全国97空港のうち53空港で、管制官がいないことが同省の資料で明らかになりました。53空港のうち調布空港の着陸回数が年間7117回と奄美空港の7111回、出雲空港の6176回と並んで飛びぬけて多いことが分かりました。
着陸回数も多く住宅密集地に囲まれた調布飛行場でなぜ管制官がいないのか。同市議団は「安全対策上、管制官を置くように都に要請している」とした上で「なぜ国は管制官を配置しなくなったのか」と聞くと、同省は「わからない」と回答するだけでした。
同市議団は「住宅密集地、発着の多さ、管制官もいない、許しがたい。空港自体をなくしてほしいとの声もある」と迫りました。
穀田氏、本村伸子、笠井亮、宮本徹各衆院議員と、田村智子、吉良よし子両参院議員秘書が参加しました。
エンジン出力高温で低下か
調布市で小型プロペラ機が民家に墜落し3人が死亡した事故で、当時は快晴で気温が高く、暖められた空気を吸い込んだエンジンの出力が低下した可能性があることが29日、関係者への取材で分かりました。ほぼ無風だったため、離陸後に上昇するための十分な揚力が得られなかった可能性もあります。
小型機は離陸直後に失速して墜落したとみられ、国の運輸安全委員会や警視庁調布署捜査本部は、整備記録などを確認するとともに現場に残ったエンジンを回収して詳しく調べます。
(「しんぶん赤旗」2015年7月30日付より)