その女の子は、目を見開いて、まるで私たちをにらむようにして立っていました。8月9日、共産党国会議員団の福島視察で、楢葉町のみなさんからお話を伺っていた時のことです。
9月5日に避難指示を解除される楢葉町。「家は取り壊すしかない。災害公営住宅の建設もまだかかる。どうやって帰るのか」―仮設住宅での生活のストレス、帰還できるのかという不安、元の暮らしには戻れない喪失感。
最後にお孫さんを連れた女性の順番に。「生まれたばかりだったこの子が、もう来年には小学生になる。それでも私たちの生活は何一つ変わっていない」。涙を流し始めた女性。それまで静かに一人遊びをしていた女の子は、心配そうにその顔を見上げ、やがてすっくと立ち上がり、女性と私たちの間にたちはだかるようにしたのです。
“どうしておばあちゃんを泣かせるの”―無言の抗議。女の子の問いかけにどうこたえるのか!なぜ原発再稼働なのか!今も女の子のまなざしが胸に突き刺さっています。
(「しんぶん赤旗」2015年8月21日付より)