戦争法案廃案へ雨の中熱気
総がかり行動実行委員会は8日、東京・新宿駅西口で「戦争法案廃案! 安倍政権退陣! 大街頭宣伝」をおこないました。どしゃぶりの雨のなか、「強行採決ゼッタイ反対」と書いたプラカードを掲げた人たちで数十メートル先の歩道橋のデッキまで埋め尽くされました。日本共産党の志位和夫委員長、民主党の岡田克也代表ら野党4党の代表が宣伝カーでがっちり手をつなぎ、「国会の中と外で手をつないで廃案までがんばりぬこう」という訴えに、聴衆から歓声とともに「安倍政権を倒すぞ」という声があがりました。
「野党共闘を強め、廃案に追い込むために最後まで頑張りぬく」。こう表明した日本共産党の志位委員長は、3カ月余の国会論戦を通じて、憲法違反、民主主義破壊、自衛隊の暴走の三つがはっきりしたと告発。「もはや一かけらの道理もありません。戦争法案を必ず廃案にしよう」との呼びかけに、「そうだ」の声と拍手が湧き起こりました。
志位委員長のスピーチ
8日の「戦争法案廃案! 安倍政権退陣! 9・8新宿西口大宣伝」で日本共産党の志位和夫委員長が行ったスピーチ全文は以下のとおりです。
みなさん、こんばんは。日本共産党の志位和夫です。
戦争法案廃案を求めて、国会周辺で、全国で、燎原(りょうげん)の火のように反対運動が広がっています。この国民の声、国民の運動に、私たち野党はしっかりとこたえなければなりません(「いいぞ」の声、拍手)。野党共闘を強め、戦争法案を必ず廃案に追い込むために、最後までともにたたかう決意を表明するものです。(大きな拍手)
憲法違反――「合憲か、違憲か」の論争には、はっきり決着がついた
3カ月余の衆参の論戦を通じて、三つの点がはっきりしました。
第一は、戦争法案が憲法違反だということです。「戦闘地域」での兵たん、戦乱が続いている地域での治安活動、米艦防護のための武器使用、そして集団的自衛権――そのどれもが憲法を踏み破る、海外での武力行使そのものではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
圧倒的多数の憲法学者、元内閣法制局長官に続いて、最高裁判所長官を務めた山口繁さんも、憲法違反と断じました。今日の参院特別委員会の参考人質疑で、大森政輔元法制局長官は、「憲法の基本原理からの重大な逸脱」と批判しました。「合憲か、違憲か」の論争には、はっきり決着がついたのではないでしょうか。(「そうだ」の声、大きな拍手)
いかに安倍政権が国会で多数を持っていたとしても、憲法違反の法案を強行することは許されません。そんな権利は誰にも与えられていないのであります。(「そうだ」の声、拍手)
民主主義破壊――安倍政権はついに国民の理解を得ることができなかった
第二は、安倍政権が、ついに国民の理解を得ることができなかったということです。
自民党の高村副総裁は、戦争法案を、「国民の理解が得られなくても成立」させると言い放ちました(「ひどい」の声)。許し難い究極の居直りの発言です。同時に、これは与党の“敗北宣言”ではないでしょうか。3カ月余の衆参の審議で、ついに国民の理解を得ることができなかった。政府・与党が、国民を説得する立場も能力も、持ち合わせていないことを、自ら認めるものではないでしょうか。(「その通り」の声、大きな拍手)
国民の6割以上が「今国会での成立反対」と頑強に反対している法案を強行することは、日本国憲法の平和主義を踏みにじるだけでなく、国民主権の大原則を踏みにじる暴挙であり、断じて許されるものではありません。民主主義を破壊する独裁政治を断固として拒否しようではありませんか。(「そうだ」の声、拍手)
自衛隊の暴走――「存在は確認できなかった」などという言い訳は通用しない
第三は、自衛隊の暴走という大問題です。自衛隊の河野統幕長が、昨年12月に訪米し、米軍幹部と会談した、その会談録と思われる内部文書が明らかになりました。何と昨年12月の段階で、戦争法案は「来年夏までには終了する」と米軍側に約束している。許し難い「軍の暴走」ではありませんか。(拍手)
ところが、この内部文書について、本日、防衛省は、「同一文書の存在は確認できなかった」としつつ、「会談の中身は公開できない」と回答してきました(どよめきや「えー」の声)。あくまでも国民に隠し続けるつもりか。「軍の暴走」を政府あげてかばい立てするつもりか。(「許せない」の声、大きな拍手)
河野統幕長は国会に出てきてもらおうではありませんか。事実と責任を徹底追及していく決意です。(「いいぞ」の声、大きな拍手)
安倍政権を打倒し、立憲主義、民主主義、平和主義を貫く新しい政治を
憲法破壊、民主主義破壊、「軍の暴走」――もはや道理は一かけらもありません。戦争法案を必ず廃案にしようではありませんか(「いいぞ」「そうだ」の声)。安倍政権を打倒し、立憲主義と民主主義と平和主義を貫く新しい政治をみんなの力でつくろうではありませんか。(「よし」の声、大きな拍手)
(「しんぶん赤旗」2015年9月9日付より)