都議会委 米倉氏が追及
東京都が木造住宅密集地域の防災向上を名目に、住民追い出しの道路建設を進める特定整備路線について、推進の根拠としている「延焼遮断効果」のシミュレーションが、極めて限定的な検証にしかならず、首都直下地震が起きた際には、大きく異なった被害が生じうることが明らかになりました。15日の環境・建設委員会で、日本共産党の米倉春奈都議が、特定整備路線の建設中止を求める住民からの陳情の審査で追及しました。
シミュレーションでは、道路に向かって正面から風が吹く設定になっています。米倉氏は、特定整備路線のうち、南北に走っている路線では、東西方向に風が吹く設定となるが、そのような風は統計的にほとんど吹かず、年間を通して多いのは南北に吹く風だと指摘。その場合、特定整備路線の延焼遮断効果は薄く、火が燃え広がることをパネルで示し、都の検証の不十分さを厳しく批判しました。
また、都の不十分なシミュレーションでも、特定整備路線の延焼遮断効果が発揮されず、火が道路の反対側に燃え移る地点があり、その事実を都は住民説明会で明らかにしたのか、との米倉氏の質問に対し、建設局の東野寛道路計画担当部長は、説明していないことを認めました。
陳情は「東京都特定整備路線全都連絡会」(柴田裕代表)が1万1129人の署名を添えて提出したもの。共産党は賛成しましたが、自民、公明、民主、生活者ネットの反対で不採択になりました。
(「しんぶん赤旗」2015年9月25日付より)