共産党・民青が訴え
国からの国立大学への交付金削減に伴う学費値上げ反対を訴えて、日本共産党と日本民主青年同盟(民青)は24日、東京大学赤門前で宣伝・署名行動を行いました。参加者は、党のアピールを紹介するチラシを配布。「史上最悪の学費値上げ ストップさせましょう」と書いたプラカードを掲げて署名やシール投票を呼びかけました。
参加者が次々とマイクを握り、「国の予算削減の穴埋めに学費が値上げされようとしています。値上げは毎年おこなわれ、15年後には約40万円も増額される」などと訴えました。
署名した東京大学大学院生の男性(30)は「教育は根本となる政策です。国がここにお金を払わないのは、あり得ない。学費が払えずに大学を辞める人がいることは社会にとって打撃です」と話しました。
対話になった高校3年の男子生徒は、学費値上げについて「ありえない」にシールを貼りました。世界的に教育の公的支出が少ない日本の状況を説明すると、海外との格差に驚きます。「経済的理由で大学に行くことをあきらめる人がいるのは残念」と語りました。
民青中央常任委員の目黒健太さんは、大学時代に学費のために働き過労で倒れて大学を休んだ知人がいたことを紹介。「今の日本は、勉強時間や睡眠時間を犠牲にしなければ、大学に通えない。そういう実態を安倍政権は無視している」と話しました。教育の機会均等を保障した憲法にも違反しているとのべ、「値上げ撤回を求める声を広げましょう」と訴えました。
日本共産党の米倉春奈都議は、高い学費にもかかわらず給付奨学金制度がないのは、先進国(OECD加盟国)で日本だけだと指摘。「この流れを変えられるのは、学生の声です。学費値上げストップで声を上げ、一緒に教育を大切にする政治をつくっていきましょう」と呼びかけました。
学費値上げストップを 田村智子議員訴え
田村氏は、財務省が計画している国立大学の運営費交付金の大幅削減による不足分を、学生の授業料で補うと、15年間で現在より40万円の学費値上げ(93万円)になると指摘。学費値上げ撤回に全力を尽くす決意を述べました。
「奨学金を借りたために700万円もの借金を背負い、自己破産にしか未来はない」などの切実な学生の声を紹介し、運営費交付金の削減で、正規雇用の研究者や教員が減らされ、若手研究者が使い捨てにされていることを指摘。「学生の皆さんの生活を守るためにも、研究という道でも夢を持てるようにするために、運営費交付金の削減という路線は何としても撤回させていく」と語りました。
(「しんぶん赤旗」2015年12月25日付、同26日付より)