《国会議員 駆けある記》
池内さおり 衆院議員
個人は、多様な要素の複合体。他の人々を傷つけるものでない限り、あなたの要素も、私の要素も、等しく尊重される社会でなければならないと私は思う。
先日ある学習会で、初めてレズビアンであることをカミングアウトした方のお話を聞いた。
壮絶だった。聡明(そうめい)で気も強い。現在の彼女からはまったく想像できないが、思春期に、彼女が生きた圧倒的孤独な世界があったことを、私は知った。自分を肯定できない苦しみ。社会からの拒絶感—。「社会が黙れと言っている」と語気を強めた姿に、〝私〟が問われていると痛感した。
私は今、〝あなた〟の心に届くよう「あなたの味方だ」と叫びたい。〝あなた〟の声は必ず〝私〟が受け止める。だから声を聞かせてほしい。他者の人生への敬意と、愛情に満ちた安心感を、社会に敷き詰めていきたい。
日本の若者の死因のトップが自殺だ。今をサバイブして(生き抜いて)いる全ての人が「自分は一人ではない」と実感できる社会を、私は皆でつくりたい。
(「しんぶん赤旗」2016年2月27日付より)