日本共産党の和泉なおみ東京都議は15日、都議会厚生委員会で、高すぎる国民健康保険料(税)の引き下げを求めるとともに、国保料の差し押さえや保険証の取り上げを区市町村に推奨させている都の姿勢を改めるよう求めました。
和泉氏は、2人の子どもがいる自営業者の夫婦は売り上げから経費を除いた額が年間114万円で、社会保険料などを引くと課税所得はゼロになるにもかかわらず、国保料は年間約25万円もかかる実態を紹介。高すぎる国保料が保険料滞納を招いていると述べ、都として国保料軽減を図るとともに、国に国庫負担の割合を引き上げるよう求めるべきだと主張しました。
和泉氏は、区市町村が滞納者への差し押さえ件数や、医療費の窓口負担が10割になる資格証明書の発行割合を増やすこと、都が自治体に特別調整交付金を交付して推奨しているときびしく批判。10万人以上の自治体では、差し押さえ100件で1000万円、300件で2000万円、500件で4000万円、資格証の発行割合が5%以上なら800万円、10%以上なら1500万円の交付金を支出している実態を告発しました。
和泉氏は、共産党都議団の調査で、都内の自治体では、給与や年金が振り込まれる口座の差し押さえを行っている自治体が48、最低生活費も差し押さえている自治体が29にのぼると指摘。都民の暮らしを困窮させ、医療を受ける権利を侵害する事態をただちになくすよう求めました。
都福祉保健局の本多由紀子地域保健担当部長は、差し押さえや資格証の発行は「区市町村が滞納者にきめこまやかな対応を行ったうえで行っている」と正当化しました。
(「しんぶん赤旗」2016年3月17日付より)