百条委 共産党が要求
都議会 自公民など否決
米倉氏趣旨説明
15日の東京都議会本会議で日本共産党都議団は、舛添要一知事の疑惑解明のため、百条委員会の設置を求める動議を生活者ネットと共同で提出しましたが、共産、生活者ネット、かがやけなどの賛成少数で否決されました。自民、公明、民進系の2会派などが反対しました。
百条委員会は、地方自治法にもとづき設置するもの。記録の提出や関係者の出頭及び証言を求め虚偽証言は罰せられるなど、強力な調査権限を持ちます。
共産党が提案した百条委員会は、舛添知事の①海外出張②公用車使用③公務、政務による講演と講演料④視察⑤政治資金ーの状況と⑥舛添知事が依頼した弁護士による調査報告書の作成経過などについて調査するものです。
共産党の米倉春奈都議は趣旨説明で、「辞職することで疑惑にふたをすることは許されません。全容解明のため、証人喚問、記録の提出などの強い権限を持つ百条委員会を設置することが不可欠」と主張。多くの都民が設置を求めていることにふれ、賛同を呼びかけました。
異常事態繰り返すな
白石氏 全容解明求める
辞職に議会同意
東京都議会は15日、政治資金の不正使用疑惑など公私混同で都民から辞職要求があがっていた舛添要一知事の辞職(21日付)に、全会一致で同意しました。日本共産党の白石たみお都議は討論で、舛添知事の辞職は「都民世論の画期的勝利」だと強調。事態を再びつくらないため、百条委員会を設置して真相の全容解明を行うよう主張しました。
白石氏は舛添知事の高額の海外出張、公用車の私的利用、政治資金の不正使用に都民の怒りが広がり、都庁に3万件を超す批判が寄せられ、真相究明と知事辞職を求める声が高まったことを指摘。「この力が、最後まで辞職を拒み続けてきた舛添知事に、続投を断念させた」と強調しました。
同時に、党都議団の呼びかけで、14日に全会派による不信任案の共同提案が実現したことをあげ、「このことも知事に辞職に追い込んだ大きな力になった」と述べました。
白石氏は、2年間余りで総額2億4500万円を超える知事の高額海外出張について、「費用を半額に抑えれば生活保護世帯のクーラー設置などが実現できる。だからこそ都民の怒りの声が殺到した」と批判。
知事が家族旅行の宿泊費を政治資金収支報告書に「会議費用」と記載した問題は、政治資金規正法で禁止された虚偽記載であるだけでなく、領収証の明細を切り離して意図的に支出目的を伏せた疑惑など、「徹底解明が避けられない」と告発。一連の問題は「異常なまでの公私混同ぶりを浮き彫りにし、知事の資格に欠けることを示した」と強調しました。
白石氏は、3回連続して知事が任期途中で辞職した異常事態を二度と繰り返さないために、「真相の徹底解明は引き続き都議会の重要な責務だ」として、百条委員会の設置を改めて訴えました。
「幕引きダメ」都民から批判
舛添要一東京都知事が15日に辞職願を提出したことに、日本共産党都議団(吉田信夫団長、17人)には全国から激励や問い合わせの電話、メールが相次いでいます。
16日は、朝から午後5時までに100件余の電話があり、メールは同日午後5時までに計520件余が寄せられました。
「(共産党の追求は、ドラマの刑事)コロンボのごとく切れ味鋭く頼もしかった」「都民としてできることを教えてほしい」「今信用できる政党は共産党以外にはないような気がします」などの激励・意見がずらり。
共産党都議団が提案した、百条委員会設置と総務委員会の2回目の集中審議に自民・公明が反対したことについても、「百条委員会設置に期待していましたが、自公は否決‥。あまりにひどい。共産党だけが一貫して都民目線の主張をしている」「辞職で幕引きは許されません。(自民・公明は)来年の都議選で審判が下るでしょう」などの意見が寄せられました。
(「しんぶん赤旗」2016年6月17日付より)