東京都知事選(14日告示、31日投票)への立候補を表明したジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76)の記者会見(要旨)を紹介します。
第一に、猪瀬直樹氏、舛添要一氏と都知事が2代続けて「政治とカネ」の問題で辞職し、都政が大変な混乱に陥りました。舛添さんは海外出張でファーストクラスを利用し、ホテルのスイートルームに宿泊するなど、とんでもないことが行われました。都政が私たち都民の税金で運営されているとの意識が希薄になった結果です。
私が知事になった場合は、納税者意識を受け止めて仕事に当たりたい。誠心誠意、「住んで良し、働いて良し、環境に良し」の東京都のために私の全力をささげたい。
第二に、東京都は一国の予算規模にあたる(一般会計)6兆円の予算を持ち、輝かしい可能性を秘めています。東京五輪の成功に、全力を挙げたい。
一方、さまざまな問題があります。保育所の待機児童が未解決です。貧困率が16%程度、就学援助も高い区もあり、格差が進行しています。
東京では出生率が1・1で全国最低です。結婚して子どもを産み育てられる環境をつくりあげたい。
もう公共事業で経済をよくするやり方はやめて、高齢化対策や待機児童、介護などの問題にお金を使って、経済を活性化させ、可能性を発展させる東京都にしていきたい。
第三に、参院選の結果を見て、憲法「改正」が射程に入ってきていると分かりました。戦後70年、平和な時代を過ごしてきたのに、国政が流れを変え始めている。その流れを元に戻す力になり、東京都から発信できればと思います。
私は1940年生まれで、空襲を体験し、防空壕(ごう)に逃げ込んだこともよく覚えています。戦後の平和・民主主義教育で育った第1期生です。そのことを都民に訴えたい。
私は東京都のあらゆる市民と手を組み、選挙をたたかいたい。
私は政党から打診を受けて出馬するのではありません。私が自分で手を挙げたら、4野党からサポートの声が返ってきたので、「お願いします」と言ったのが昨日(11日)の夕方です。
記者団の質問に答えて
(米軍の垂直離着陸機)オスプレイは墜落事故が相次いだ飛行機です。横田基地も横田管制(空域)も日本に取り戻すようにしたい。オスプレイも控えてもらいたい。
築地市場の移転問題は、仲卸業者の多数が移転に反対しています。もう一度検討しないといけない。
北欧やドイツのように、日本も再生可能エネルギーで電力はまかなう方がいい。福島第1原発事故で大変な災害を背負い込んだ。今でも汚染水は解決していない。安倍総理はIOC総会で「汚染水はアンダーコントロール(管理下にある)」と世界中にうそをつきました。(原発は)できるだけ減らすべきだと思います。
(「しんぶん赤旗」2016年7月13日付より)