私が立候補の決意をしたのは、安倍政権による憲法破壊の政治に対する強い危機感からでした。参院選が終わり安倍首相はさっそく、改憲に向けた議論を各党に呼び掛けました。争点にしなかったにもかかわらず改憲をすすめようというのは、国民への裏切りです。許されません。
私は選挙戦で、学ぶ権利を保障するための大学学費の値下げや給付制奨学金の実現、働く権利を充実させるためのブラック企業やブラックバイトの根絶を訴えてきました。共通するのは“憲法をいかす”ということです。憲法をいかした政治を実現したい。
大学生の2人に1人が奨学金を借りています。私も高校生から奨学金を借り、返済を続けています。卒業直後から数百万~1千万円もの借金を背負わされるのは異常です。
学生時代から学費問題に取り組んできました。安倍自公政権も給付制奨学金について「検討する」と公約に掲げましたが、検討の結果がどうなるかわかりません。これを実現させるため、私自身も力を入れたい。
選挙戦最終盤、JR新宿駅前で夜8時以降の音なし宣伝を行っていたら、50代くらいの男性が駆け寄ってきて「ブラックな働き方をなくしてほしい」とおっしゃいました。超長時間労働で体を壊して仕事を辞め、いまは別の仕事に就いたかれど、そこでも毎日13時間仕事をしているとのことでした。過酷な実態を訴えるとともに期待の声をかけていただきました。
安倍政権は、過労死を促進する長時間労働をさらに増やそうとしています。臨時国会では、継続審議となっている残業代ゼロ法案をめぐり正面対決になります。廃案に追い込みたい。
学費問題やブラック企業、保育園不足など若い世代を大事にしない政治に未来はありません。私は「若い世代の力で政治を動かす」と訴えてきました。国会へお送りいただいた多くの方の声を受け止め、政治を変える力となっていきたい。
山添拓(やまぞえたく) 1984年京都府生まれ。東京大学法学部卒、早稲田大学大学院修了。弁護士として福島原発事故被害賠償、過労死など労働問題に取り組む。
(「しんぶん赤旗」2016年7月14日付より)