「鳥越さんとともに都政を都民の手に取り戻そう」。日本共産党の小池晃書記局長は16日、東京都の北千住駅前(足立区)と、錦糸町駅前(墨田区)で行われた街頭演説で、野党と市民が心ひとつに、東京都知事選・野党統一候補の鳥越俊太郎候補を何としても勝利させようと訴えました。
「歴史的な都知事選になりました」。こう切り出した小池氏は、2代続けて都知事が「政治とカネ」の問題で辞任した問題を批判し「今度こそ都政を都民の手に取り戻す選挙です」と力を込めました。
小池氏は「参院選で大きな成果をあげた市民と野党の共同をこの都知事選でさらに大きな流れにしていこう」と呼びかけました。
今回の都知事選について、自公勢力は候補者が分裂したのに対し、市民と野党は党派を超えて一つにまとまることができたと指摘。「この協力が成り立った背景には多くの人の努力と思いがありました。立候補を取り下げた宇都宮健児さん(元日本弁護士連合会会長)に心からの敬意を表したいと思います」と述べ、「みんなの思いを一つに合わせて勝利の結果をだそうではありませんか」と訴えると、聴衆から大きな拍手がわきました。
その上で小池氏は、▽「政治とカネ」の問題にメスを入れ、クリーンな都政をつくる▽都民の暮らしを本気で支えるため、大型開発優先の都政を切り替える▽憲法を守り、都政に生かす―の3点が都知事選の大争点だと指摘しました。
「政治とカネ」問題にメスを
「政治とカネ」の問題について小池氏は、「舛添要一前都知事を『この人しかいない』と言って担いだ自民党、公明党(の候補)には、今度の選挙にでてくる資格はない。反省文でも書いていてほしい」と痛烈に批判。「この問題にメスを入れ、クリーンな都政に切り替えることができるのは鳥越さんしかいない」と力を込めると、聴衆は「そうだ」の声で応えました。
大型開発優先切り替えよう
小池氏は「都民の暮らしを本気で支え、みんなが笑顔になるような都政をつくるためには、オリンピックに名を借りた大型開発一辺倒の都政を切り替えなければいけない」と強調しました。
舛添前知事らが「待機児童解消」と言いながらできなかった理由は、幹線道路だけで2200億円もの予算を使っているからです。
小池氏は、鳥越候補が「公共事業で経済をよくするやり方はやめて、高齢化対策や、待機児童、介護などの問題にお金を使って経済を活性化させる」と表明していることを紹介。「自民党、公明党が推薦した候補も、自民党でやってきた候補も、舛添都政を引き継ぐと言っている。暮らしを優先し、待機児童や特養ホームの待機者をなくし、若者を本気で支援して中小企業をもりたて東京経済を活性化する。この仕事ができるのは鳥越さんしかいない。認可保育所をふやし『保育園入れてよかった。東京大好き』というブログが書かれる街にしよう」と訴えました。
首都から憲法守れの流れを
最後に憲法の問題で小池氏は、鳥越候補が立候補したそもそもの理由は、参院選の結果を見て、このままでは日本が戦争する国になってしまう、日本の大事な憲法を変えようとする流れを止めたいと決意したからだと述べました。
小池氏は、相手候補が憲法の問題は都政とは関係ないといっていることに対し、「首都東京の代表を選ぶ選挙で、国の根幹である憲法の問題は大争点ではないですか。地方自治を支えているのは憲法です。戦争になれば日本で最大の人口を持つ東京都でも人々の命が脅かされる。まさに都民の問題です」と反論。「自民党改憲案」が示している「緊急事態条項」は、地方自治体の権限を取り上げようとしており、「それをストップさせると都知事が言わなければ、地方自治や都民の命は守れない」と述べました。「憲法を守り生かす都知事を選ぶのか、安倍首相と一緒になって憲法を壊す都知事を選ぶのかが大争点です。鳥越さんこそ憲法の問題をしっかり訴えることができます」と訴えると、大きな拍手がわきました。
小池氏は「新しい東京都をみんなの手でつくろうではありませんか。みんなの声を聞いてくれる本当の都民の代表、鳥越都知事を実現するために共産党も全力をあげます。力をあわせましょう。勝ちましょう。歴史をつくりましょう」としめくくると、大きな拍手に包まれました。
(「しんぶん赤旗」2016年7月17日付より)