女性の無念 思う夏
千葉県館山市の婦人保護施設「かにた婦人の村」にある「噫(ああ)従軍慰安婦の碑」の前で8月15日を迎えた。日本人の女性で「慰安婦」体験を語った城田すず子さん(仮名)の懇願により建立された碑。
日本人の中にも「慰安婦」を強いられたたくさんの女たちがいた。しかしそうした女たちに〝語らせず〟、この国の戦後71年は過ぎ去った。戦後とは何だったのだろう。あまたの女たちの奪われた人生に言葉もなく、私はただ手を合わせた。
この夏、沖縄県恩納村(おんなそん)の女性殺害遺棄現場へ。必ず訪れたかった場所。20歳の彼女の無念に手を合わせ、目を開けると、奇麗な蝶(ちょう)が頭上を舞った。沖縄で蝶は「亡くなった人の魂」だと考えられているそうだ。彼女の痛みを抱き、蝶は舞っていたのかもしれない。
過ぎ行く夏を感じながら、私は改めて誓う。全ての人に等しく人間の尊厳が保障される政治をつくるのだと!
あなたの声を私は必ず受け止める。誰も置き去りにされない社会へ!共に進もう。
(「しんぶん赤旗」2016年9月3日付より)