豊洲新市場(東京都江東区)の建設費が当初計画の990億円から2747億円に膨れ上がっている問題について、日本共産党の、かち佳代子都議は5日、都議会本会議の一般質問で「大手ゼネコンとの談合疑惑がある。徹底調査・検証を」と求めました。小池百合子知事は「検証し、なぜこのような額になったか明らかにしたい」と答弁しました。
施設建設工事(2014年2月~16年5月)では三つの街区ごとに、大手ゼネコンをトップとする共同企業体が組まれましたが、13年の入札は不調となりました。都は入札参加企業にヒアリングを行い、予定価格を1・6倍以上にはね上げ、14年2月に再入札を実施。落札率(予定価格に対する落札額の比率)99・9%で発注されました。
かち氏は、市場施設の主要3棟の落札額は1平方メートル当たり平均32万円とあまりに高額だと指摘し、「入札の経過といい、高額落札といい、官製談合が行われた疑いが濃厚だ」と強調しました。
小池知事は「建設費については、都民に疑念を抱かせないよう、納得していただける説明が必要だ。そのため、市場問題プロジェクトチームに建設費の検証をお願いした。都民に開かれた場で、なぜこのような額になったのか、理由を明らかにしたい」と表明しました。
かち氏は、予定価格が6割もはね上がった根拠について「第三者に査定評価を求め、全面的な調査を行うべきだ」と提案。小池知事は、市場問題プロジェクトチームで検証を行うと答えました。
かち氏は、談合など独占禁止法違反行為の時効前の、過去5年間の落札率99%以上の案件や、談合情報が寄せられた案件について、「公正取引委員会に情報提供し、徹底した調査・検証を求めるべきだ」とただしました。
小池知事は、公取委への情報提供と連携を行うとした上で、「談合は断じてあってはならない。より透明性のある入札・契約制度の構築に向け、都政改革本部で外部有識者を交えた議論を行う」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2016年10月6日付より)