収束せぬ原発事故実感
参議院に新設された資源エネルギー調査会の委員になりました。原発を扱います。
先日は「原発ゼロの会」という超党派の議員連盟で福島第一原発を視察。驚愕(がく)する事実の連続でした。
敷地内は厳重な防護が必要かと思いきや、靴下を二重に履き、靴をビニール袋で覆い、マスクにヘルメット…。年々簡素化しているそうで、体全体を覆う防護服は用意されません。
凍土壁で地下水の汚染を防ぐ計画ですが、凍らない個所、凍っているかどうか確認できない場所もあるといいます。冷凍に使う電気は一般家庭1万数千世帯分!
1〜4号機まで数十メートルの場所では、放射線量が毎時約170マイクロシーベルトに(国の基準値は毎時0・23マイクロシーベルト)。
建屋周辺はこの10倍といいますが、そのすぐ近くには、やはり軽装の作業員の姿。
1時間の視察を終えると、どっと疲れを感じます。目に見えない放射線の恐怖をこれほど感じたのは初めてです。事故は決して収束していない。放射能汚染もコントロールされていない。原発ゼロの政治に転換する必要を、改めて痛感しました。
(「しんぶん赤旗」2016年10月15日付)