8~9月 都が判断、責任重大/都議会特別委 曽根氏が追及
東京都の豊洲新市場予定地(江東区)の地下水管理システム稼働前に必要な排水処理が、今年8~9月の1カ月間止められていたため、地下水位の上昇を招いたことが16日、わかりました。日本共産党の曽根はじめ都議の都議会公営企業会計決算特別委員会質疑で明らかになりました。
曽根氏は、地下水管理システムによって盛り土以下にコントロールされるはずの地下水位が、依然として全観測点で目標の海抜1・8メートルを上回って盛り土に侵入していることを指摘。「なぜこうした事態を招いたのか」とただしました。
村松明典中央卸売市場長は、同システム稼働前の8~9月の1カ月間にわたり、外溝工事を理由に、都と工事担当JV(共同企業体)との協議で地下水の排水を止めていたことを明らかにしました。
曽根氏は、地下水管理システムの排水能力が日量600トンなのにほとんど200トン程度しか排水できていないという欠陥を指摘するとともに、「排水は常に行わなければならなかったのに、止める判断をした都の責任は重大だ」と批判。「盛り土が再汚染されていないと言い切れるのか」と迫りました。
汚染地下水の上昇を抑えて盛り土の再汚染と有害物質の揮発を防ぐことは、盛り土の実施と並び、豊洲新市場の汚染土壌対策の重要な柱です。曽根氏の追及で、新市場用地の地下水位の上昇は、地下水管理システムの欠陥とともに、人為的なミスでもたらされている可能性が濃厚になりました。
(「しんぶん赤旗」2016年11月17日付より)