在日米軍横田基地(東京都)への米空軍特殊作戦機CV22オスプレイ配備計画について、日本共産党の宮本徹議員が25日、衆院決算行政監視委員会で「朝鮮半島有事で米軍が直接日本から出撃し、日本が交戦国とみなされる、日本の主権にかかわる重大問題だ」と追及しました。横田基地へのCV22配備は昨年5月、米国防総省が発表。2017年後半に3機、21年までに7機を追加し、計10機を配備する計画です。
宮本氏は、CV22の配備は、アジア・太平洋地域の有事での米軍特殊作戦部隊の迅速な対応のためで、防衛省作成の冊子もCV22の輸送対象に在韓米特殊作戦コマンドが含まれていると指摘。「朝鮮半島有事に、CV22が横田基地から出撃するということになる」と追及しました。
防衛省の前田哲防衛政策局長は「米軍の運用に関することで、答える立場にない」などとしながら、横田基地配備のCV22は「アジア太平洋地域に所在している米軍の特殊作戦部隊を運ぶのが任務だ」と認めました。
宮本氏が韓国内の報道で、米韓の作戦計画が北朝鮮指導部への攻撃などに特殊作戦部隊を投入する計画になっていると質問。稲田朋美防衛相は「承知している」と述べました。
日本の基地からの米軍の戦闘行動に事前協議を義務付けた1972年の政府統一見解は戦闘行動の典型に「空挺(くうてい)部隊の戦場への降下」をあげています。宮本氏は「政府はいままでもベトナム戦争やイラク戦争でも米軍の出撃は、事前協議の対象とならない『移動』だとごまかしてきた。CV22のやることは、事前協議の対象となる戦闘部隊の戦場への直接の降下だ」と、CV22の横田からの出撃が必ず事前協議の対象になるのかと迫りました。
岸信夫外務副大臣は「仮定の質問には答えられない」「個々の内容について検討して判断する」などとまともに答えませんでした。
宮本氏は「統一見解で個々に判断するとしているのは空挺降下や上陸作戦以外で、副大臣の答弁は、政府統一見解と違う」と批判。CV22が日本政府も知らない間に横田基地から朝鮮半島に直接出撃することは、日本の命運にかかわる重大な事態になると、厳しく指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2016年11月28日付より)