参院国土交通委員会は1日、道路運送法改正案を全会一致で可決しました。本案は1月の軽井沢スキーバス事故を受け、事業許可の更新制の導入、不適格者の参入制限強化などを盛り込んだもの。
採決に先立つ質疑で、日本共産党の山添拓議員は、頻発するバス事故の根本解決にはバス事業の規制緩和是正と運転手の労働環境改善が不可欠だと主張。「規制緩和が行き過ぎた競争を引き起こし、安全性が置き去りにされた」として石井啓一国交相に反省を求めました。
バスやトラック、タクシー運転手の労働環境改善については、拘束時間を1日13時間、インターバル(休息時間)を8時間などと定めた「改善基準告示」の法制化と規制強化が必要だと強調しました。
山添氏は、重大バス事故には改善基準告示違反の事例が多数あるとして、「改善基準告示に罰則はなく実効性が乏しい」と指摘。改善基準告示自体が過労死ラインを超える月80時間以上の残業を可能とする基準だとして、法制化と規制強化を強く求めました。堀内詔子厚労政務官は「告示を守ってもらうよう努めたい。法制化は難しい」と後ろ向きの答弁に終始しました。
山添氏は石井国交相に、「安倍政権が『働き方改革』を主張するなら、国交省においても実効性ある措置をとるべきだ」と迫りました。
(「しんぶん赤旗」2016年12月5日付より)