東京都議会厚生委員会は12日、日本共産党が提出した「東京都子どもの医療費の助成に関する条例案」を日本共産党の賛成、自民、公明、民進、かがやけの反対で否決しました。
条例案は、中学生までの子どもの医療費助成で23区がすでに実施している“所得制限・窓口負担なし”を多摩、島しょの市町村でもできるよう支援を拡充し、自治体への都の補助率を現行の2分の1から3分の2へ引き上げる内容です。
採決に先立ち日本共産党の和泉なおみ都議が賛成の意見表明。「能力に応じて負担し、給付は平等に行われるべきという社会保障の原則から、条例案は所得制限を設けていない。市長会、町村会も所得制限の撤廃を求めており、都内区市町村の一致した立場です」とのべ、条例案への賛同を呼びかけました。
和泉氏は財源について言及し、都の長期ビジョンの3か年実施計画の事業費は、陸・海・空の交通物流ネットワークや都心機能強化などには1兆円を投じる一方、福祉先進都市の実現には2900億円しか計画されていないと指摘。「不要不急の大型開発や道路事業を見直せば、必要な財源は十分確保できる」と強調しました。
討論で、自民党の野島善司都議は「議員提出条例になじまない」などと反対意見をのべました。他会派は意見表明しませんでした。
(「しんぶん赤旗」2016年12月13日付より)