東京都は25日、2017年度予算案を発表しました。小池百合子知事が作成した初の本格予算で、保育園の待機児童解消策や都立高校生への給付型奨学金の創設など、都民要求を反映し、日本共産党都議団が要望してきた施策が前進しています。一般会計の予算規模は6兆9540億円で5年ぶりに前年度を下回り、0・8%減。特別会計、公営企業会計を合わせた予算総額は13兆542億円(16年度比4・4%減)。
一般歳出のうち投資的経費は1兆736億円で13年ぶりの減額(16年度比2・1%減)。福祉・保健分野は349億円増(同3%増)となる1兆2017億円です。
待機児童の解消に向け、保育士の処遇改善のための保育士等キャリアアップ補助を倍増させ、1人当たり2万1千円相当引き上げます。4年間で7万人分の保育サービスを確保するとしています。
高齢者施策では、特養ホーム整備の資材価格高騰に対応した加算を引き上げています。
教育分野では、都立高校生への給付型奨学金を創設。私立高校生への特別奨学金を拡充し、年収760万円以下の家庭では、授業料が無償となります。
産業・雇用分野では、商店街支援事業が増額され、医工連携、福祉用具、環境分野の機器などへの中小企業の参入支援の予算を倍増。非正規労働者を社内で正規労働者に転換した事業主への助成事業も拡充します。
舛添要一前知事の公私混同で大きな問題となった知事の海外出張予算を16年度比で8割削減します。共産党都議団の提案を受けて、小池知事は航空機のファーストクラスやホテルのスイートルームは使用しない方針です。
住民の強い反対がある特定整備路線をはじめ、幹線道路計画や港湾整備などは継続します。
都民要求反映した施策前進
共産党 大山幹事長が談話
日本共産党東京都議団の大山とも子幹事長は25日、2017年度都予算案についての談話を発表しました。
談話では、小池百合子知事が初めて編成した本格予算で、不要不急の大型開発を推進する一方、「福祉、教育などで、わが党が求めていた施策をはじめ都民要求を反映した施策の前進があったことは重要だ」と強調。保育園の待機児解消目標を17年度1万8000人、20年度までの4年間で7万人分と掲げ、保育所整備用地の固定資産税・都市計画税の減免や、保育士給与の措置を行うことを評価しました。
教育では都立高校生に対する給付型奨学金の創設や、私立高校生の特別奨学金の拡充を歓迎しました。
防災対策では、党都議団も求めていた無電柱化の推進予算を増額したことを指摘しました。
一方、安倍政権の社会保障切り捨てや国民健康保険の負担増が進むもとで、「都民生活を守る対策が打ち出されていない」と強調。特別養護老人ホームの整備費が減額されていることや、少人数学級、住宅の耐震化助成が拡充されていないことを指摘。住民の強い反対がある特定整備路線など幹線道路計画をはじめ、大型開発を本格的に見直すよう求めました。
(「しんぶん赤旗」2017年1月26日付より)