日本共産党東京都議団の大山とも子幹事長は25日、2017年度都予算案についての談話を発表しました。全文を紹介します。
2017年度東京都予算案について(談話)
2017年1月25日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 大山とも子
本日、2017年度東京都予算案が発表されました。小池知事として初めての本格予算の編成ですが、不要不急の大型開発が推進される一方、福祉、教育などで、わが党が求めていた施策をはじめ都民要求を反映した施策の前進があったことは重要だと考えます。
1.前進面について
保育園の待機児解消目標を来年度1万8000人、4年間では7万人としたこと、なかでも、保育士の給与を一人当たり2万1000円相当引き上げることや、保育園を建てるために23区内で土地を貸し出す方に対する固定資産税及び都市計画税の減免措置の創設は、わが党が求めてきた方向と合致するものであり、重要な前進です。
また、児童相談所の児童福祉司を大幅に増員し、難病の方の療養や就労の相談場所を多摩地域に新設します。
高齢者施策でも、特別養護老人ホーム整備資材の高騰に対応した加算をおこない、認知症高齢者グループホームの整備のため土地・建物の所有者と事業者の紹介を行うことなどの前進があります。
都民のみなさんとともにわが党が推進してきた、鉄道駅のバリアフリー化を推進する事業が、4億220万円から11億9100万円へと2・8倍に増えることも重要です。
教育では、「教育格差があってはならない」という立場が示され、家庭の経済状況等にかかわらず誰もが学べる環境を実現するため、都立高校生等にたいする給付型奨学金が創設されます。私立高校生等に対する特別奨学金も拡充され、私立高校生の約3割を占める親の年収760万円未満の家庭の授業料が無償になりますが、さらなる拡充が求められます。また、小中学校、都立学校のトイレの洋式化が進められます。
中小企業対策では、商店街支援対策は、専門家派遣、巡回相談などの新規事業を立ち上げるなど、約10億円増額されます。医工連携事業、福祉用具や環境分野の機器など、都民の要求とかみ合った分野への中小企業の参入を支援する予算も倍増され、地域の産業集積の活性化を図る区市町村への支援事業も拡充されます。
農業対策では、都市農地の保全、担い手育成支援などが拡充されます。
防災対策では、無電柱化推進予算は10億円増額され、補正予算で700億円の基金も積み立てられ、わが党が求めていた区市町村道への支援を含めて無電柱化が促進されます。
消防庁予算では、救急隊が2隊20人増員され、消防団員の費用弁償が1回3500円から4000円に増額されます。
環境対策でも、一般家庭の照明をLED照明に無償交換できるよう100万個支給されることは重要です。
多摩島しょ地域振興のための市町村総合交付金は、10億円増額されました。わが党は、医療分野をはじめ23区と多摩地域の格差を是正していくために、さらなる取り組みの強化を求めていきます。
舛添知事辞任の一つの発端となった知事の海外出張費が、今年度比8割削減することも重要です。
2.改善すべき問題点について
安倍内閣が、介護、医療、年金などの社会保障を次つぎに切り捨て、深刻化している国保料(税)などの負担増などに対して、都民生活を守る対策が打ち出されていません。
特別養護老人ホームの待機者が4万人も残されているにもかかわらず、特別養護老人ホーム整備費が37億円も減額されるなど、高齢者福祉が不十分です。特養ホームやグループホームなどの整備を抜本的に促進するため、不足している介護人材を増やすための給与引き上げなどが強く求められます。
都民が求めている少人数学級の拡充も進められていません。
防災対策として、大幅な拡充が求められている住宅の耐震化助成は、国の制度の変更で若干増えただけであり、対象も依然として、木造住宅密集地域の一部などに限定されたままです。
また、知事は、13年ぶりに投資的経費が減額となったことを強調しました。このことは重要ですが、今後少子高齢化社会を迎え、社会保障関係予算の増大が見込まれる中で、住民生活を破壊し、住民の強い反対がある道路である特定整備路線をはじめ、不要不急の幹線道路計画は継続されており、こうした大型開発の抜本的見直しをすすめることが求められます。
わが党は、都政改革とさらなる都民施策の充実を進めるために全力をつくすものです。
以上
(都議団ホームページより)