首都大の学費免除が充実
党都議団の要求実る
東京都立の首都大学東京には、経済的に困難な学生に対する授業料の全額・半額の免除制度がありますが、全額免除に該当する学生にも予算不足を理由に半額しか免除されない事態が続いていました。しかし、2016年度からは、全額免除に該当する学生は全員が全額を免除されています。日本共産党都議団が繰り返し要求し、都が応えたものです。
半額のみ100人超
首都大の授業料は年約52万円。家庭の所得に応じて、全額または半額免除の規定があります。しかし、予算不足を理由に全額免除該当者にも半額しか免除されない学生が、年によっては100人以上も出ていました。
日本共産党の米倉春奈都議が14年9月の都議会で、都の大学生支援策をただすなかで首都大の実態を示し是正を要求。「授業料減免を政策的に位置づけ、そのための運営費交付金を」と提案し、「東京都から大学の学費負担軽減、無償化への流れをつくっていこう」と呼びかけました。
日本共産党都議団は15年8月、都に首都大授業料減免制度への財政支援を申し入れ、清水ひで子都議も同年10月に総務委員会で支援を求めました。
都は16年度、授業料減免のための予算を従来の標準運営費から特定運営費に移行し、対象の学生は全員が減免を受けられるようにしました。17年度予算案では前年比400万円増の3億5800万円を計上。学費値下げなどを要望した民青同盟首都大班の学生に担当者は「学生の困りごとに対応していきたい」(2月14日)と説明しました。
意見調査に共感
首都大の授業料は国立大(年約54万円)に比べてわずかに低いものの、民青首都大班が学生103人から集めたアンケートには「研究のための書籍を購入するお金がない」「食事はできるだけ安くしている」などの実情がつづられています。
アンケート活動に協力した民青都委員会の小堤東副委員長(日本共産党衆院東京11区予定候補)は、「先進国の中で日本が高学費だと知らない学生が多い。生活の苦しさも『当たり前』『仕方ない』と思わされています。でも対話するなかで『本当は変えたい』という学生の本音が見えてきた」と語ります。
アンケート活動に取り組んだ同盟員自身も成長したと小堤氏。「『自分たちの活動が共感を呼ぶんだ』と実感し、都への要請を通して共産党とともに政治を変えられると気づいた。こうした民青の魅力や役割をいま、受験生にも語っています」
実態示せば都も動く 米倉春奈都議の話
お金の心配なく学べる社会にしたいと都への質問や申し入れを繰り返し、ついに予算を拡充できました。うれしい。首都東京から学費値下げの流れをつくりたいです。首都大の学生が直接、学費の負担やバイトの大変さを都の担当者に話して対策を求めることは、都に問題の重大さを認識させ、取り組みを始めさせる上で大切です。学生の実態をぶつける中で、学費の値下げや、返さなくていい奨学金制度の実現などを切り開いていきたいです。
(「しんぶん赤旗」2017年3月14日付より)