参院法務委員会は18日、司法修習生に給付金を支給する裁判所法改正案を全会一致で可決しました。採決に先立つ質疑で日本共産党の山添拓議員は、改正案は「給費制」復活を求める粘り強い運動の成果だと評価するとともに、経済的な制約なく法曹界にすすめるよう、さらなる充実を求めました。
司法試験合格者は1年間の司法修習が義務づけられ、その間アルバイトなどが禁止されています。2011年に修習生の生活を保障するための給費制が廃止され貸与制が導入されたことで、修習生の経済的困窮が社会問題になってきました。
山添氏は、給費制では月約21万円に加え地域手当や通勤費なども支給されていたと指摘。一方、今回の改正案では基本給付金13万5000円、住居給付金3万5000円にすぎないとし、改正案が貸与制を併存させているのも「給付額が修習生活をするうえで十分でないことを前提にしたものだ」と批判しました。
参考人として出席した野口景子弁護士は、貸与制のもとで多額の借金を背負った若手弁護士が、書籍代や独立資金の不足、出産・育児などでも困難に直面し、法曹をあきらめる者もいるなどの実態を陳述。山添氏は、貸与制時代に修習生をしていた“谷間世代”の救済を訴えました。
金田勝年法相は、谷間世代の救済を求める声を認識しているとしつつ、「救済措置の予定はない」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2017年4月19日付より)