日本共産党の吉田信夫東京都議は11日の都議会オリンピック対策特別委員会で、小池百合子知事が2020年東京五輪で都内・都外の仮設施設の整備費を都が全額負担する意向を表明したことについて、「都民は到底納得できない」と批判し、国と組織委員会に責任を果たすことを求めるよう迫りました。
吉田氏は、小池知事が2月の都議会で、都外施設整備費の負担も検討すると述べた際、共産党都議団は強く懸念し、組織委員会に責任を果たさせるべきだと主張したことを指摘。今回の知事発言の撤回と再検討を求めました。
知事発言について吉田氏は「協議次第では4100億円の運営費も都が負担することがあるのか」と質問。都五輪準備局の雲田孝司調整担当部長は「(都、国、組織委員会の)3者協議で詰めているところだ」と答え、否定しませんでした。
吉田氏は、仮設施設整備費2800億円のうち組織委が負担するのは800億円だけであり、「最大2000億円が都負担になる」と追及。さらに、すでに都負担が確定している経費は、都立競技場と新国立競技場の一部負担のほかに選手村関連なども加え3000億円になっていると指摘し、「その上に新たに2000億円もかぶることは都民の理解を得られない」と強調しました。雲田部長は「精査中」と繰り返すにとどまりました。
吉田氏は、非公開で行われている3者の事務レベル協議の議事録や資料を開示し、経過を明らかにすべきだと主張しました。
(「しんぶん赤旗」2017年5月13日付より)