東京都築地市場(中央区)の東京ガス豊洲工場跡地(江東区)移転問題で、都内の寿司(すし)店・鮮魚店82店のうち、過半数が「築地(市場)を改修して続けるべき」だと考えていることが明らかになりました。新日本婦人の会東京都本部が都内の寿司店・鮮魚店のアンケート調査に取り組み、25日に都庁で記者会見し、結果を発表しました。
調査は都内23区から多摩地域までの各自治体の寿司店や鮮魚店(約300軒)を直接訪ねてアンケート用紙を届け、82店から回答を得ました。そのうち71%(58店)が築地市場から仕入れを行っていました。
「豊洲移転についてどう感じるか」との問いに対し、52%(43店)が「築地を改修して続ける」と回答。「安全性が確認できるまで移転すべきでない」と答えたのは13%(11店)で、「豊洲市場に移転すべき」だと答えたのは5%(4店)にとどまりました。
アンケートでは、小売業者の切実な声も出されました。「築地改修」と答えた鮮魚店は「学校給食をさせていただいている。安全・安心な食材の納品を日ごろから心がけてきたが、今の状況ではとてもできない」と答えました。
築地の寿司店で働く小林剛さんは会見で、「人の口に入れるものは安心できることが最低条件です。築地の改修に賛成します」と語りました。
新婦人都本部の岡林奈緒子氏は会見で、「豊洲新市場予定地の土壌汚染を不安視する声が多く、単に食の安全性だけでなく、都の土壌汚染対策の不手際による不信感から、消費者の買い控えと商売の持続性を懸念する声が多く寄せられた」と指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2017年5月26日付より)