日本共産党東京都議団(吉田信夫団長、17人)は25日、豊洲新市場予定地(江東区の東京ガス工場跡地)の土壌汚染対策を議論する専門家会議の平田健正座長が従来の都の約束を覆す発言をした問題について、都として都民への約束を守る方針を明確にするよう、小池百合子知事に申し入れました(申し入れ全文はこちら)。
都は新市場予定地の土壌・地下水汚染について、都議会での答弁などで「環境基準以下にする(無害化)」と約束していました。ところが、平田座長は18日の専門家会議第6回会合で、「環境基準にすることをめざしていない。汚染は残置する」と発言。傍聴していた市場業者から批判が続出して紛糾し、中断に追い込まれました。
申し入れでは「この問題は食の安全・安心と業者の生活のかかった重大問題だ」と述べ、政府・農林水産省も汚染土壌の上に生鮮食料品の市場をつくることは「想定し得ない」と表明していたことを指摘。「移転後に、地震による液状化などで汚染が地上に浮上すれば、たちまち商売が成り立たなくなる危険がある」と強調しました。
その上で、豊洲移転を中止し築地再整備に踏み出すことを要請。当面、予定地の無害化を求めた都議会の付帯決議(2010年)や市場長の答弁、市場関係者や都民との約束を守ることを明確に示すよう提起しました。
野田数・知事特別秘書は「申し入れ趣旨は責任を持って知事に伝える」と答えました。
(「しんぶん赤旗」2017年5月26日付より)