東京都築地市場(中央区)の東京ガス豊洲工場跡地(江東区)への移転問題に関する都議会調査特別委員会(百条委員会)は31日、証人尋問での浜渦武生元副知事ら2人の陳述が偽証だと認定し、本会議において刑事告発の議決を求める動議を可決しました。日本共産党、公明党、東京改革(民進党系)、都民ファーストの会、生活者ネットが賛成し、自民党は反対しました。
浜渦氏は、豊洲の用地取得の交渉を担いました。証人尋問で、東京ガスが市場移転を受け入れる2001年7月の「基本合意」以降は、合意と一体で結ばれた「確認書」の存在を知らず、相談も報告も受けていないなどと述べました。
動議提出会派を代表して日本共産党の、かち佳代子都議が賛成意見を表明しました。
かち都議は、浜渦氏が関与し、報告を受けた記録が5件以上に及び、「勘違いや記憶違いなどとは言えない」と指摘。偽証の動機について「汚染対策でも費用負担でも譲歩を重ね、4万3000倍のベンゼンが検出されながら、汚染処理費の東京ガス負担はわずか78億円で、かつ瑕疵(かし)担保責任を免責するという結果となった責任を逃れるためだった」と批判しました。
偽証認定の提案について、自民党が前回の意見開陳でまともに反論できずに「ためにする告発」などと発言したことに対し、かち都議は「誹謗(ひぼう)中傷以外の何物でもない。浜渦氏を擁護する自民党の態度はあまりにも見苦しい」と強調しました。
百条委は、元都政政策報道室理事の赤星経昭氏についても、「確認書」を知らないと述べたことについて偽証と認定しました。
(「しんぶん赤旗」2017年6月1日付より)