日本共産党東京都委員会が8日発表した、都議選の若者政策「若者の願いにこたえる4つの『東京プロジェクト』」の全文は以下のとおりです。(→PDFはこちら)
若者の願いにこたえる4つの「東京プロジェクト」の実現へ、
日本共産党をのばしてください
2017.6.8 東京都委員会
全国の20代・30代の若者の8人に1人が東京に暮らしています。大学進学や就職を機に東京にやってくる若者もたくさんいます。しかし、就職しても、37%が非正規。全国的にも大学を卒業して就職しても32%の人が3年以内に離職…。ブラックな仕事の広がりと、数百万円にもなる奨学金返済の負担に苦しむ若者が、全国でもっとも多い都市でもあります。この東京を、もっと若者が暮らしやすい街にすることはできないでしょうか?
東京都政には、若者の生活を大きく変える、巨大な力があります。東京都の財政規模は、年間総額13兆円(福祉が充実したスウェーデン一国と同じ規模)。税金の使い方しだいで、全国に先駆けて、若者の生きやすい社会をつくれるポテンシャルがあります。
韓国・ソウル市立大学の授業料は、5年前から半額に。アメリカ・ニューヨーク州では今年初め、中・低所得の世帯に対して州内の公立大学の授業料を無料にする計画が発表されました。
こんどは東京の番です。6月23日告示、7月2日投票で行われる東京都議会議員選挙で、若者の願いを実現していく都議会を、一緒につくりましょう。
自民党・公明党が多数をしめる都議会で、若者の願いは切り捨てられてきた
自民党・公明党に支えられてきた石原都政は、若者の雇用問題にも大きな役割をはたしてきた労政事務所を廃止(3ヶ所廃止、6ヶ所情報相談センターに転換)したり、中小企業で働く青年労働者の福利厚生施設として利用されてきた都立の勤労福祉会館(8ヶ所)や青年の家(7ヶ所)を廃止するなど、若者支援の機関を解体してきました。現在、若者を担当する部署は「青少年・治安対策本部」になっています。治安対策の部署が若者を担当するのは全国でも東京だけです。98年度に全国で3位だった福祉の予算の割合が、15年度には32位まで低下するなど、若者支援をはじめ、福祉予算、生活応援の予算の比重が大きく削減される一方で、都民の税金は、1メートル1億円の東京外かく環状道路など、不要不急な大型開発に湯水のようにつぎこまれてきました。
小池都知事のもとで、私立高校の授業料無償化が拡充され、都立高校生への給付型奨学金が創設されるなど、若者や都民の願いに応える施策が一定盛り込まれています。しかし、大型開発優先の歪みは変わっていません。そこを転換しなければ若者の願いに応える政策に、十分な財源をあてることができないのではないでしょうか。
日本共産党が伸びれば、政治は必ず変わります
しかし、政治は変わります。前回の都議会議員選挙で、日本共産党が8議席から17議席へと躍進して以降、都政の「闇」が次々と暴かれてきました。特に、日本共産党都議団が昨年8月、豊洲新市場予定地にあるはずの盛り土がないことを突き止めたことは、都政を大きく揺るがし、その調査力が大きな注目を集めました。
また、日本共産党都議団は、認可保育園の増設のため、都議会の場で具体的に活用できる都有地を示す中で、4年間で5万3,000人分もの定員を増やすことができました。働き方の問題でも、昨年の電通新入社員の過労自殺の事件を二度と繰り返さないよう財界・大企業に対し「長時間過重労働の削減」などを要請するよう強く求めました。小池知事から、「過労死という言葉をなくしたい」、「企業や経営団体に長時間労働の削減を呼びかける」という重要な答弁を引き出しました。
今年3月の都議会では、一般会計予算全体の2.8%を組み替え、若者の大きな負担となっている家賃への助成事業を創設するなど、63項目の都民施策を拡充する「予算組み替え提案」も行いました。
対決構図は、巨大開発優先の自民党・公明党VS若者の要求実現、都政改革をすすめる日本共産党
都政のなかみを直視すれば、都議選の対決構図は、石原・猪瀬・舛添の3代の都知事を支え、都政の「闇」をつくり、巨大開発優先で、くらし、若者応援施策を後退させてきた自民党・公明党 対 日本共産党です。日本共産党がさらに議席を伸ばしてこそ、若者の願いを実現する都議会へ変えていくことができます。自民・公明に厳しい審判を下しましょう。
一方、小池都知事が率いる「都民ファーストの会」は、自民党と一緒に都政の「闇」をつくってきた公明党と選挙協力を行なっている上、外かく環状道路などの大型道路推進を公約に掲げています。それで本当に都政を「都民第一」に変えられるでしょうか。
日本共産党は、若者が安心して学び、働き、生き生きと生活できる東京へ、4つの「東京プロジェクト」の実現をめざします。日本共産党のさらなる躍進で、若者が安心して学び働ける東京へ変えていきましょう。
~若者が安心して学び、働き、いきいきと生活できる東京を 4つの「東京プロジェクト」~
東京プロジェクト 1 お金の心配なく学べる東京へ、授業料負担の軽減、学生向け給付制奨学金をつくります
日本は、大学の学費が世界有数の高さでありながら、給付制奨学金がとても貧弱な、異常な国です。奨学金が若者を借金苦と貧困に引きずり込む、こんな社会に未来はありません。日本共産党は、東京の学生向けの給付制奨学金を東京都独自につくります。
▽ 東京都出身の大学生・短大生・専門学校生への返済不要の給付制奨学金を、年収350万円未満の世帯を対象に月額2万円の規模でただちに創設し、さらに拡充をめざします。
▽ 大学の学費を国公立も私立も10年間で半額にすることや、学生の4人に1人を対象に月3万円の給付制奨学金をただちにつくることを国に提案します。
▽ 都立の首都大学東京の入学金や授業料等の引き下げ、減免制度や奨学金制度等の新設・拡充を進めます。学生寮や食堂の改善など学生の願いにこたえます。
▽ 私立高校の授業料無償化を拡大するとともに、入学金、施設費などへの補助制度をつくります。都立高校の授業料は全員無償にします。国にも高校就学支援金の所得制限撤廃と増額を求めます。国公立高校生への国の奨学給付金は所得制限が厳しく、金額も最大でも実際にかかるお金の半分程度です。これらを拡大する都独自の給付制奨学金制度を創設します。
▽ 多摩都市モノレールの通学定期券の割引額の拡充と、学生専用の割引回数券の発行ができるよう支援します。運賃の値下げをめざします。
東京プロジェクト 2 最低賃金時給1,500円、ブラックな働き方をなくし、8時間働けばふつうに暮らせる東京を
政府は、「働き方改革」といいながら過労死ラインの月80時間を上回る残業を合法化するなど、労働法制の規制緩和を進めています。日本共産党は、正規雇用が当たり前、ブラックな働き方をなくします。
格差と貧困が広がり、働いても貧困から抜け出せない状況のおおもとには、932円という低すぎる最低賃金があります。首都圏で人間らしく生活するためには、少なくとも1カ月約23万3,801円(全労連などの最低生計費試算)が必要です。これを1カ月で稼ぐには、フルタイムで働いても、時給1,559円にする必要があります。
日本共産党は、8時間働けばふつうに暮らせる東京へ変えていきます。
▽ 違法な「サービス残業」を根絶するための法律を遵守させるとともに、条例をつくります。
▽ 「ブラック企業」「ブラックバイト」ゼロのために、東京都の労働行政を強化・拡充し、「ブラック企業相談窓口」をつくります。法令違反を繰り返し、裁判所・労働委員会で法令違反の判決・命令が出された都内大企業は公表するとともに、区市町村へも情報提供します。公共事業等の入札等に関し、こうした情報を考慮します。
▽ 中学、高校、専門学校、大学で、働く際の権利と法律的知識を学ぶ授業の機会を保障するほか、校内でのポスター・パンフレットをはじめ、多様なメディアによる雇用ルールの普及・啓発活動を拡充強化します。労働相談を学生向けに拡充します。
▽ 正規職への転換を求める労働者、正規化を進める中小企業への支援をはじめ、雇用・就労対策を抜本的に強化します。人間らしい働きがいのある仕事を広げる「ディーセントワーク推進本部」を設置します。
▽ 最低賃金は時給1,500円以上をめざします。自治体で働く非正規職員の賃金はただちに時給1,500円以上にし、「官製ワーキングプア」をなくします。東京都として、大企業・経済団体へ賃上げを要請するよう働きかけます。大企業に対し、中小企業との公正な取引を求めるとともに、負担が増加する中小企業への支援策を実施します。都の公共事業・委託事業に従事する労働者の賃金が、その地域・業種の標準的な賃金水準を下回らないように規制し、人間らしく生活できる賃金を保障する「公契約条例」を制定します。
東京プロジェクト 3 就活のルールを作り、安心して仕事に就ける東京を
学生、高校生の就職不安は引き続き深刻です。それは、学生、高校生の責任ではなく、社会のあり方にこそ問題があります。日本共産党は、若者が安心して就職できるよう、都内の働き口をふやしながら、就職の応援を抜本的に強めます。
▽ 公正で、学業を阻害しない就活ルールと学生支援体制をつくります。内定取り消しや囲い込みの防止など、大企業の社会的責任の啓発を進めます。離職者数や過去の労働法違反の経歴など、労働条件や職場環境の実態がわかる企業情報を提供させます。
▽ 無償の公共職業訓練の定員、訓練科目を大幅に増やすなど、就職支援事業を抜本的に拡充します。職業訓練機能と求人の掘り起こし、若者サポートをセットにした無料のプログラムを実施します。都内中小企業と協力し、中小企業が取り組む職業訓練に対する東京都の助成制度を充実させます。
▽ 都として、就職できずにいる若者の実態を把握し、対策を抜本的に強めます。企業に対し、非正規労働者の正規社員化、正規社員の新規採用を増やすよう働きかけます。保育園や特別養護老人ホームの大幅増設、小中学校での35人学級、生活密着型の公共事業の拡充などを実施し、都内の雇用を増やします。
東京プロジェクト 4 若者への家賃助成制度を創設するなど、安心して生活できる東京を
住まいにも子育てにも多額の費用が掛かる現状は、多くの若者の重圧となっています。日本共産党は、若者の生活にかかる経済的負担を減らします。若者・学生への支援を充実します。
▽ 東京都として、18歳から35歳の所得の低い世帯に月1万円の家賃補助をおこない、家賃の負担を軽くします。
▽ 民間賃貸住宅の空き部屋なども活用して、若者むけの都営住宅など、低家賃の公的な「若者向け住宅」をつくります。都営住宅の収入基準月額15万8千円は、ほとんどの子育て世代には低すぎて入れない額です。子育て世帯の支援のため、裁量階層の条件緩和など、入居要件をやわらげ、支援します。
▽ 学生を含めた若者の悩み相談事業「若ナビ」を普及するとともに、拡充します。相談への対応を各行政機関に引き継げる体制をつくります。「ユースソーシャルワーカー」など、若者支援の専門人材の育成を進めます。
【「安倍政権による憲法破壊から、世界に誇る9条を守れ」の声を日本共産党に】
いま国会では、安倍政権により共謀罪法案の強行が狙われています。2013年の秘密保護法、2014年の集団的自衛権行使容認の閣議決定と2015年の安保法制の強行採決に続く、「戦争する国」づくりを進める暴挙です。
この大きな流れの中で、安倍首相が、2020年までの憲法9条の改定を表明するなど、憲法改悪を狙った暴走を続けています。これは現にある自衛隊を憲法上、追認するにとどまりません。憲法9条2項を空文化し、海外での武力の行使を、文字通り無制限に可能にすることに一番の本質があります。
戦争の最大の被害者は、若い世代のみなさんです。安倍首相の改憲の動きは、絶対に許すことはできません。
下村博文氏(自民党幹事長代行・都連会長)は、「都議選で勝たなければ、(安倍)総裁が示した2020年の憲法改正にも大きく影響する」と述べています。それならば、今度の都議選で、安倍首相の改憲発言に、厳しい審判を下しましょう。「安倍自公政権による憲法破壊から、世界に誇る9条を守れ」の声を、日本共産党に託してください。
日本共産党は、憲法を全面的にいかして、立憲主義、民主主義と平和主義を取り戻し、「個人の尊厳」を断固として守りぬく社会にするために全力をつくします。LGBT・性的マイノリティの差別解消など一人ひとりの人格と個性が尊重される東京をつくります。ヘイトスピーチや民族差別を許しません。
いま安倍政権の暴走政治をストップさせる大きな希望として広がっている、市民と野党の共闘を前に進め、来る解散・総選挙で、安倍政権に代わる、一人ひとりが大切にされる新しい政府を一緒に作ろうではありませんか。
以 上