日本共産党東京都委員会が13日に発表した、国民健康保険料値下げの緊急政策を紹介します。
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払いたくても払えない高すぎる国民健康保険料
−ただちに東京都の財源で1万円の値下げを−
2017.6.13 日本共産党東京都委員会
緊急政策——1人1万円の値下げをただちに。 財源は350億円、税金の使い方をあらためれば必ず実現できます
今年度から東京の多くの自治体で国民健康保険料(税)<以下、「国保料」>が値上げされます。ある区では年収500万円の夫婦(40歳以上)と子ども2人の子育て世帯で、57万2,874円もの国保料となります。払いたくても払えない額になっています。6月中旬から各家庭に国保料の通知が届きます。
日本共産党は、東京都の財源で国保料をただちに1人1万円引き下げさせます。そして、誰もが払える保険料へと、さらなる引き下げをめざします。
特別区長会も東京都に「低所得者に配慮した財政支援を強化」と求めています。
安倍自公政権は、国保料の負担軽減のための自治体の財政措置をなくせと圧力をかけていますが、法律で財政措置を禁止することはできません。これは憲法で保障された地方自治の権限だからです。国会での日本共産党の質問にも「自治体でご判断いただく」というのが厚労省の答弁です。
1万円引き下げのための財源は350億円です。東京都の一般会計予算のわずか0.5%。大型開発や不要不急の大型道路建設優先の税金の使い方をあらためれば必ず実現できます。
限界を超えている高すぎる国民健康保険料(税)。今年度からさらに大幅値上げ
東京の区市町村議会では、自民党、公明党などによって毎年のように国保料が値上げされてきています。今年度も23区9市町で値上げされました。
23区では、今年度1人あたり7,252円の値上げです。先に述べたある区の子育て世帯の国保料は、2013年の51万0,165円から57万2,874円へと、わずか4年間で62,709円もの値上げです。またある市では、2年連続の値上げで、年収505万円の夫婦(40歳以上)と子ども2人の子育て世帯で、2年間で8万8,800円も値上げされ、43万6,600円にもなります。
1ヶ月分の収入がまるまる国保料となっています。「こんなに高いと生活できない」「とても払える額じゃない」との悲鳴や要望が毎年、区役所・市役所に殺到しています。もはや限界を超えた金額になっているといわざるをえません。
なぜ国民健康保険料(税)は、こんなに高くなっているのでしょうか
医療保険制度は、かかった医療費をみなさんの保険料と公費でまかなう仕組みです。現在、国民健康保険は、非正規労働者や無職者・年金生活者が加入世帯主の8割近くを占めており、所得が低いのに保険料は高いという構造的な問題を持っています。実際、国の調査でも、国保加入者の所得に占める保険料の負担の割合は、ほかの医療保険よりも大変重くなっています。ですから、国が国庫から負担し、区市町村もそれぞれの判断で公費を国民健康保険特別会計に投入して、住民が支払う保険料の負担を抑えてきたのです。
ところが国が国庫負担を大幅に減らし、東京都も、1990年代に被保険者1人あたり8,000円から9,000円の水準であった区市町村への独自の補助を、自民党・公明党に支えられた石原都政のもとで大きく減らしました。2015年度には1,741円と5分の1にまで縮小。さらに東京都は、区市町村による住民負担軽減のための公費の繰り入れを減らせとせまり、その結果、住民が支払わなければならない保険料の値上げが繰り返されてきているのです。
国民健康保険制度の都道府県化で、さらに大幅値上げの重大な危険
これまでは国民健康保険の財政運営は、区市町村が担ってきましたが、来年度からは、都道府県が主体となり、区市町村と共同運営するようになります。これにむけて国は、〝保険料軽減のための区市町村による公費の繰り入れをやめること〟〝保険料のとりたてをいっそう強めること〟を、都道府県が司令塔となってすすめるよう、様々な制度・仕組みをつくって押しつけてきています。国が言うように繰り入れをやめれば、さらに大幅な値上げになる危険があります。
いまでも高い国保料をこれ以上値上げさせるわけにはいきません。東京都の財源で1万円を引き下げることは、来年度から運営主体となる東京都に、保険料負担軽減への第一歩を踏み出させることになります。
日本共産党は、高すぎる国保料を引き下げて、誰もが払える保険料をめざします
安心して医療を受けられるようにするのが社会保障です。誰もが払える保険料にあらためることこそ求められる改革です。そのためには、国とともに東京都にも、区市町村にも、その責任を果たさせなければなりません。今度の都議選で日本共産党の議席を増やしていただき、ただちに1万円の引き下げを実現し、さらなる引き下げをすすめましょう。都民のいのちとくらしを守る国民健康保険を作っていきましょう。
以 上