日本共産党東京都議団(曽根はじめ団長、19人)は29日、小池百合子知事に対して、9月1日の「関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典」への追悼文の送付中止を撤回し、例年通り速やかに送付するよう要請しました。
河野ゆりえ都議が政策企画局の大野貴史・知事秘書担当課長に要請書を手渡し、大山とも子都議団幹事長が趣旨を説明しました。大野氏は「知事に伝えさせていただきます」と答えました。
1923年の関東大震災で「朝鮮人が井戸に毒を流した」などの流言が広がり、軍隊や警察、自警団によって数千人といわれる朝鮮人、中国人が虐殺されました。日朝協会都連などでつくる実行委員会は73年以降、朝鮮人犠牲者追悼碑のある墨田区の横網公園で追悼式典を実施し、毎年、石原慎太郎都知事をはじめ歴代知事が追悼文を送付してきました。
小池知事は送付取りやめについて「関東大震災遭難者及び都内戦災遭難者慰霊大法要で、関東大震災で犠牲となったすべての方々に追悼の意を表しているので、今回特別な形での追悼文の提出は控えた」(25日の記者会見)と説明しました。
党都議団は申し入れで「民族差別を背景とした朝鮮人の虐殺・加害の歴史を風化・忘却させることにつながる」と指摘。式典主催者や識者などの批判に耳を傾け、2020年東京五輪・パラリンピックの開催都市にふさわしく、人権尊重・平和・友好を世界に発信することが求められていると強調しています。
(「しんぶん赤旗」2017年8月30日付より)