日本共産党の尾崎あや子東京都議は1日の都議会経済・港湾委員会で、築地市場(中央区)の移転先とする豊洲新市場(江東区の東京ガス工場跡地)の96店舗でカビが生えた問題について、「健康への悪影響を未然に防止する」措置を求めた都食品安全条例から見ても問題だとして、原因の究明や市場業者への補償とともに、市場移転を中止するよう求めました。
尾崎氏は、仲卸業者の「木の表面が青くカビが生えているのを見てがくぜんとした。こんなカビが生えるような豊洲市場には行きたくない」「築地市場ではこんなことはない」という声を紹介。写真パネルを示し、「生鮮食料品を扱う市場でのカビ発生は食品衛生上、大問題ではないか」と指摘しました。
土壌に含まれる有害物質のベンゼンや水銀がカビに付着しているかどうかを調査するよう求め、「都は最先端の施設だと豪語してきたのに、なぜ大量のカビが発生したのか。仲卸業者は不安を抱えている」と批判し、市場開設者である都の責任で原因究明を行うよう迫りました。
都中央卸売市場の岡安雅人新市場整備部長は「清掃を行う」としたものの、原因究明やカビの調査を拒否。
尾崎氏は「市場開設者として、働く人の健康を一番に考える」ことが必要だと強調。食品微生物の専門家も論文でカビ対策には清掃だけでなく原因追究が必要だとしていることを紹介し、「原因を究明しないと再発防止にならない」と批判しました。
村松明典市場長は「業者に迷惑、心配をかけたことは真摯に受け止めている。被害を確認した事業者には清掃や個別対応を行う」としながら、謝罪はしませんでした。
(「しんぶん赤旗」2017年9月2日付より)