東京都議会定例会が閉会した5日、日本共産党都議団の大山とも子幹事長が発表した談話(要旨)を紹介します。
築地・五輪・少子化…課題山積
都議会定例会終え談話
都議選後最初の定例会でしたが、小池百合子知事による都政の重大な問題点や公約違反が、鮮明になりました。その中でもわが党は19人に躍進した力を大いに発揮し、公約実現、都民の暮らし・福祉充実のために全力を尽くし、貴重な前進をつくることができました。
◆小池知事による都政の重大な問題点。公約違反が鮮明に
【豊洲新市場への移転推進は知事の公約違反】
今定例会直前、豊洲新市場の地下水から環境基準の120倍のベンゼンをはじめ、猛毒のシアン化合物、ヒ素などの有害物質が検出されました。ところが小池知事は、この事実にほおかむりし、土壌も地下水も環境基準以下にするという都民との約束を反故にして、早期移転の取り組みを加速すると表明しました。
これに対しわが党は、「都民の食の安全と安心を守ります」という都議選での知事と都民ファーストの会の公約を示して、有害物質が検出されている中、移転を推進するのは公約違反ではないかとただしましたが、知事は否定することができませんでした。
知事は都議選前、築地市場について「築地は守る」「市場としての機能を確保する」と約束しましたが、今定例会で設置が発表された有識者による築地再開発検討会議の目的に、こうした立場は盛り込まれていません。知事は、事業者とのオープンな場を設けて検討すると約束していましたが、検討会議のメンバーに市場業者は入っていません。
また知事は都議選前、「業者のみなさまの信頼を回復するよう徹底的に努力する」と約束しました。ところが仲卸業者でつくる築地女将さん会が8月23日に知事に提出した公開質問状にいまだ回答していません。同会は、質問に回答もしないで移転を急ぐ知事の姿勢を批判しています。
わが党は、小池知事が公約、都民への約束を守るよう改めてきびしく求めるものです。
【朝鮮人虐殺の史実を認めない知事の姿勢は許されない】
関東大震災における朝鮮人虐殺の追悼文送付中止問題について、わが党が、虐殺の事実を認めるかどうかをただしたのに対し、知事は虐殺の史実さえ「歴史家がひもとくもの」という答弁を繰り返しました。関東大震災における朝鮮人虐殺があった事実を否定する歴史家はいません。にもかかわらず虐殺の事実を認めようとしない知事の姿勢はとうてい許されません。
◆安倍政権退場へ、市民と野党の共闘で全力を尽くします
安倍政権は、党利党略の臨時国会冒頭解散を行いました。今回の総選挙では、憲法をないがしろにする安保法制、共謀罪、秘密保護法を強行し、森友・加計疑惑など国政を私物化してきた安倍自公政権の是非が問われています。小池知事が、この定例会中に自ら立ち上げ、代表になった希望の党も、安保法制容認と改憲を政治的主張のカナメだとしています。これでは安倍政権との対決軸どころか、自民党の補完勢力といわなければなりません。
いま都政には、市場移転、五輪問題、少子高齢社会対策など課題が山積しています。その中で、小池知事が都政に集中して取り組むことなく、国政政党の代表として総選挙にまい進いていることに、都民から疑問や批判の声が上がっているのは当然のことです。
日本共産党は今度の総選挙で、安倍政権に退場の審判をくだし、暮らしと憲法を守る新しい政治を実現するために、市民と野党の共闘の旗を高く掲げてたたかい抜きます。
(「しんぶん赤旗」2017年10月6日付より)