「憲法の全条項を守る」~日本共産党綱領の精神語る
総選挙での日本共産党躍進と、自民党・希望の党と大激戦となっている衆院東京20区での宮本徹候補(東京比例重複)の必勝をと、不破哲三前議長は15日、東京・東久留米駅前で演説し、市民と野党の共闘で改憲勢力から日本の政治を国民の手に取り戻そうと訴えました。雨をついて駆けつけた市民が駅前を埋めました。
宮本氏は、安倍晋三首相の「森友・加計」疑惑隠しや改憲の狙いを批判し、「東京都議選であれだけお灸を据えられても反省できない方は、もう辞めてもらうしかない」と訴え、聴衆も大きな拍手で応えました。
「世界でみると、日本は今年、素晴らしいことがあった」と切り出した不破氏は、7月に核兵器禁止条約が採択され、総選挙直前には同条約制定の運動を進めてきた非政府組織(NGO)・核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞が決まったことに言及。
「日本国民の願いが、今や世界の世論と政治の大きな流れになりつつある」と述べ、同条約を決める国連会議の日本政府は最後まで欠席したと批判する一方で、日本の政党では日本共産党だけが出席したと報告。「侵略戦争に反対し、命がけで平和の旗を守った政党としての伝統と歴史が立派に今の日本共産党に生きていることを示した行動だ」と強調しました。
不破氏は、希望の党は安保法制にも改憲にも賛成だと指摘。「名前が違うだけで、中身は自民党と全く変わらない」「こういう自民党勢力と市民と野党の共闘の勢力との二つがぶつかり合っているのが今回の選挙の一番の核心だ」と訴えました。
共闘を恐れる勢力の“共産党とは綱領が異なる”との批判には、日本共産党綱領は「憲法の前文をふくむ全条項」を守ると明記し、綱領が目指す格差も貧困もなく、誰もが自由と平等を謳歌できる社会に進むためには一歩一歩、国民多数の合意があって初めて進むと明記していると強調。「だからこそ、今の国民の最大の問題について、綱領の違う政党とも、いろんな考えの方たちとも一緒に行動できる」と述べました。
不破氏は、「安倍首相というウルトラ右翼の独走の下で国民の生活と平和と民主主義が根本から脅かされているときにこそ、この精神が一番必要だ」と主張。「日本共産党は、この精神で市民と野党の共闘をどこまでも発展させるために全力を尽くす覚悟だ」「宮本候補の勝利とともに『比例では日本共産党へ』の声をあと一週間、広げに広げてください」と訴えると、「頑張れ」の声と拍手が上がりました。