東京都の小池百合子知事は19日の定例会見で、築地市場(中央区)の豊洲新市場(江東区、東京ガス工場跡地)への移転時期を来年9~10月にする方針を明らかにしました。
都は9月以降、土壌と地下水汚染の追加対策工事を進めています。7街区(水産卸売棟)の工事契約が2回にわたり入札中止となったことについて、小池知事は「移転時期に影響を与えることはないと考えている」と話しました。
市場団体が求めている「安全宣言」について、小池氏は「ワンフレーズというよりは全体的なパッケージで」とし、専門家会議の提言に基づいて追加対策工事を実施し、農水相の認可手続きなどを進め「安全面での条件が整った段階で開発者としてしかるべき発信をしていく」と述べるにとどまりました。
都は860億円を投じて汚染対策を行いましたが、今年9月には環境基準の120倍の発がん性物資ベンゼンが検出され、汚染対策の失敗が明白になりました。水産仲卸業者から「汚染された豊洲には行きたくない」の声が高まっています。