建設業の長時間労働是正に実効性ある対策求める
日本共産党の山添拓議員は7日の参院国土交通委員会で、新国立競技場建設の現場監督だった男性が3月に過労自殺した問題を取り上げ、建設業の長時間労働是正へ実効性ある対策を求めました。
大成建設の1次下請け業者に勤めていた男性=当時(23)=は、自殺直前の1カ月で月約190時間の残業をしていたとして、10月に労災認定されました。
山添氏は、建設業が残業時間の上限を月45時間・年360時間とする厚生労働大臣告示の対象外で、大成建設の月150時間・年1,200時間をはじめ、業界大手が過労死ライン(月80時間)を上回る労使協定を結んでいると指摘。厚労省の調査で、新国立の現場で月80時間超の残業が横行していたことへの認識を問いました。
石井啓一国交相は「長時間労働是正の必要性を痛感している」と答えました。
山添氏は、政府の進める罰則付きの残業規制について、最長月100時間まで残業を認める過労死の合法化であり、さらに建設業には施行から5年間適用されないと批判しました。
その上で、週休2日の実施で労働時間の短縮を図る方針を示している政府に対し、主に日給制をとる建設現場の長時間労働根絶のためには、労働時間の減少が収入減とならない最低限の賃金保障が不可欠だと主張。設計労務単価の引き上げと、引き上げ分が下請け労働者に行きわたるよう指導することを求めました。
国交省の田村計土地・建設産業局長は、実態調査を踏まえ「必要に応じて単価の改定を行う」と答弁。
石井国交相は「適切な賃金水準を確保し、現場の技能者の処遇改善につながるよう取り組む」と述べました。
(12月8日付「しんぶん赤旗」より)