都議会第4回定例会は15日、閉会しました。来年4月から実施される国民健康保険の都道府県化に伴う条例案が都民ファーストの会、公明、自民、民進の各党などの賛成で可決しました。日本共産党は反対しました。
同日開いた本会議で、日本共産党から討論に立った藤田りょうこ都議は、国保制度の見直しについて、国が国保料(税)の軽減のために行っている区市町村の一般会計からの繰り入れをなくし、徴収強化を求めていることをあげ、条例案は国の方針通りだと指摘。「保険料のさらなる大幅値上げにつながる」と強調し、保険料の負担増を避けるために都独自の財政支援を求めました。
築地市場の豊洲新市場への移転問題で、小池百合子知事が築地の市場機能を守るとの方針を変更したことについて「都民への背信行為だ」と批判。東京五輪の選手村用地を破格の安値で民間デベロッパーに売却した問題では、価格評価の情報公開資料が黒塗りで公開されたことを指摘。「都合の悪い情報は隠し続ける態度は、知事の情報公開の方針に逆行している」と批判し、全面公開を求めました。
重要な前向き答弁
藤田都議は木造住宅の耐震化、こども食堂への支援、子どもの貧困対策、保育園整備に対する都有地活用、介護離職対策、医療的ケアを必要とする子どもの通学保障、障害者医療費助成の精神障害者への拡大などについては、「重要な前向きの答弁があった」と評価しました。
一方、今年の予算議会で小池知事は、道路などの社会資本整備について「見直すべきは見直す」「精査する」と表明していたのに、「幹線道路建設の推進を強調した」と批判。「不要不急の大型開発を見直し、福祉、暮らし、教育をはじめとした都民施策の予算を思い切って増額することを求める」とのべました。
都議手当 据え置きを否決
定例会には共産党、かがやけTokyo、生活者ネット、日本維新の会都議会の4会派が共同で都議の期末手当を据え置く条例案を提案。しかし、都民ファーストの会、公明党、自民党、民進党などが反対し、否決しました。
条例案は現行の期末手当の支給割合が都職員と連動しているため、職員の期末手当が引き上げられても都議は据え置かれるようにするためのもの。共産党都議団が1日に条例案を発表し、他会派に共同提案を呼びかけていました。
採決に先立つ討論で、藤田都議は都民の暮らしの困難が続き、社会保障の負担増も相次ぐもと、都議の期末手当引き上げは都民の理解は得られないと指摘。4月から議員報酬の2割削減が実施されたばかりで、「議会改革への姿勢と初心が問われる」とのべました。
かがやけの上田令子都議も「制度としてルール化されているからと、唯々諾々と踏襲すべきものではない」と賛成討論しました。
一方、都民ファは「職員報酬との連動ルールをことさら否定する理由もない」と反対。公明、自民両党は意見をのべませんでした。