川崎 核廃絶へ責任と自信 笠井 被爆国の役割果たせ

核兵器廃絶の運動を前に進める年に、と決意を語り合う(左から)笠井、川崎、吉良の各氏

核兵器廃絶の運動を前に進める年に、と決意を語り合う(左から)笠井、川崎、吉良の各氏

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のノーベル平和賞受賞を受け、核兵器廃絶への歩みを前に進める2018年。ICAN国際運営委員の川崎哲さん(ピースボート共同代表)と、核兵器禁止条約をつくる国連会議に出席した日本共産党衆院議員の笠井亮さんが、運動の展望や改憲を目指す安倍政権への世界の反応をめぐって語り合います。司会は同党参院議員の吉良よし子さん。
 
吉良 2018年は、核兵器禁止条約への参加を、日本政府、世界中の政府に迫っていく年になります。
 
川崎 ICAN事務局長のベアトリス・フィンが授賞式の演説で「核兵器が終わるのか、私たちが終わるのか」と問いかけました。これまでの核兵器廃絶を求める運動を、10倍、100倍、1000倍にしていく。そのためのプレゼントを、ノーベル平和賞という形でもらったし、そうする責任も世界からもらったんだと思います。
 
ノルウェーの式典に出て、あの会場の割れんばかりの拍手がずっと耳に残っています。必ず運動を広げていけるという自信が私にはあります。
 
笠井 国連会議でも多くの人から、キーカントリー(鍵を握る国)は日本だといわれました。被爆国として私たちの役割と責務は大きい。日本が被爆国にふさわしく核兵器禁止条約に参加するよう、新しい年の国会でも、徹底して求めていきます。同時に、安倍首相は憲法9条改憲を、いよいよ発議しようと狙っている。これに対していま、「安倍9条改憲ノー」の3千万人署名が取り組まれています。二度と戦争の悲劇を繰り返させない、そのためにもがんばりどきです。
 
川崎 そのことは、とても大事だと思います。広島、長崎の経験を踏まえて核兵器を廃絶すること、あの大戦のすべての経験を踏まえて二度と戦争を起こさないことの二つは、ある種、車の両輪として戦後日本の出発点でした。
 
ノルウェーで、いろんな食事会や懇親会で、かなりの確率で「日本の首相は憲法を変えるのか」と心配そうに聞かれたことが、とても印象に残っています。核兵器禁止条約に日本が参加していないということを話すと、「そういえば憲法を変える話があるよね」とセットのように聞かれるんです。世界の受け止めだと思いますね。
 
笠井 本質をついていますね。73年前、新憲法をつくるとき、当時の幣原喜重郎首相は原爆の体験を踏まえて9条を提案しています。あの侵略戦争をやった日本が9条を持ったから世界の信用を回復したのに、それを変えようという動きに怒りが広がっている。暴走政治に市民と野党の共闘を進め、ノーの声をあげてストップをかけなければいけません。
 
核兵器禁止条約の前文の最後には、各界の役割が述べられていて、「国会議員」も明記されています。条約で役割を与えられているわけですから、世論と運動を広げることとあわせ、私も国会でがんばります。

吉良 核兵器禁止条約への署名・批准を求めると同時に、憲法も守り抜く、そういう年にしていかなくてはと改めて感じました。今日は本当にありがとうございました。

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