日本共産党の、あぜ上三和子東京都議は30日の都議会オリンピック推進対策特別委員会で、2020年東京五輪の経費について、組織委員会、国との分担や、選手村整備費の負担など不透明な部分が多くあることを指摘し、都負担の削減と情報公開を求めました。
組織委員会が昨年末に公表した大会経費計画(バージョン2=V2)では経費総額を1兆3500億円とし、うち都が6000億円、組織委が6000億円、国が1500億円を負担するとしました。
加えて、今月26日に発表した都2018年度予算案では、2020年度までに大会に直接関わる経費として4410憶円、インフラや観光振興など関連事業費として3700億円の計1兆4000億円を負担する方針です。
あぜ上都議は、大会で使用する民間施設に関わる整備費や賃貸料は組織委が負担するとした3者の合意に触れ、選手村(中央区晴海)の整備では、都が周辺地価の10分の1の低価格で民間事業者に売却した上、民間施設を借り上げるにもかかわらず、内装工事や原状復帰の費用まで都が負担することを指摘。「筋の通らないやり方で、どれだけ都民の税金をかけるつもりか」と批判し、都負担を行わないよう求めました。あぜ上都議は競技場の仮設観客席の整備費や、IOC(国際オリンピック委員会)、JOC(日本オリンピック委員会)、専任代理店・電通へのロイヤルティー(権利使用料)支払いなどが過大なうえ、大会期間中の暑さ対策などさらに費用負担がふくらむ可能性もあると指摘。
少なくとも経費の全容を明らかにし、経費削減の努力を図るよう求めました。
都五輪準備局の湯川雅史担当部長は仮設施設整備費の都負担分の詳細について明らかにせず、今後公表する経費計画(V3)で明らかにすると答弁。
あぜ上都議は「本来は大枠でも公表するのが当然だ」と指摘しました。
(1月31日付「しんぶん赤旗」より)