「小学校と同じ、温かくておいしい全員給食を中学校でも実現してほしい」。
東京都町田市で、 保護者を中心に中学校での「完全給食」実現を求める声が高まっています。
町田市の中学校給食をめぐる状況を見てみました。
町田市の中学校給食は、 2006年度から実施されている業者によるあっせん弁当を希望者が注文する「弁当併用外注方式」です。
中学校給食は、23区で は100%、多摩26市中20市が小学校で実施されているような全員給食を実施しており、2市が実施を検討しています。
昨年12月の定例市議会では、「小学校給食と同じような中学校給食の実施を求める請願」が提出され、昨年12月13日時点で5000人を超える署名が集まっています。
請願では子育て世代の貧困と格差が広がるなか「みんなで一緒に食べる栄養豊かな給食は『子どもの命綱』でもある」と強調しています。
冷たい弁当給食
昨年、市が19の市立中学の生徒(6823人)に実施したアンケートでは、給食(あっせん弁当)を「利用している」「時々利用している」と回答した生徒は16 .4%(2006年度開始時は46.6%)と喫食率の低さは明らかです。
利用している生徒の不満は主に「味付け」「献立内容」「温度」となっています。保護者からも「申し込みが不便」「クラスで頼んでいる友達が少ないので頼みにくい」との意見が上がっています。
一方、町田市の小学校では、42の市立学校すべてで自校調理式の全員給食が実施されており、栄養士も配置されて栄養バランスもよくおいしいと評判で高校3年と中学1年の2人の子どもを持ち、10年前に町田市に引っ越してきた女性(45)は「給食があると聞いて引っ越しを決めたのに、中学校では冷たい弁 当になっていて驚いた」と話します。
女性の長男は 一時期利用していた給食の弁当を「自分の家のお弁当のほうがいい」とやめてしまいました。
小学校時代は「給食が楽しみ」と言っていた長男。 女性は「小学校の給食は、栄養バランスも考えられていて安心できた。中学校でも同様の給食を実現してほしい。心も体も成長する中学生にとって栄養バランスのとれた温かい給食は大切です」と語りました。
この女性は今、中学校での完全給食を求める署名運動に参加しています。
共産党実施要求
日本共産党町田市議団では、4年前から「小学校と同じ全員給食の実施」を一貫して求めており、同時に給食費の無償化も求めています。
市内の中学校の大半が小学校に隣接または近隣にあることから、小学校で調理した給食を中学校に運ぶ「親子方式」の実現を求める声も寄せられています。
同方式であれば実施に必要な費用も十分捻出できます。
町田市では、18日告示・25日投票の市長選·市議選があり、中学校給食の実現は選挙でも大きな争点の一つとなります。
(2月8日付「しんぶん赤旗」より)